プロット

文字数 1,094文字

起)私立小学校四年生の小花(コハナ)美々利(ミミリ)は引っ込み思案で自分に自信のない女の子。動物病院を経営する父の影響で小さな動物が大好きな彼女は、スケッチブックをいつも持ち歩き動物の絵を描いていた。そんな彼女のクラスに、ある日転校生がやってきた。彼の名前は高月(タカツキ)碧兎(アオト)。学校中がざわめくなか、なにも知らない美々利は首を傾げる。ウワサによれば彼は一年前まで子役として活躍していたけれど、最近ぱったり見かけなくなったとのこと。イケメンだけど鋭い目つきで寡黙な碧兎を、美々利は怖いと感じる。

承)
美々利が家に帰るとそこには蒼兎と彼の妹のひまりが。昔から母親同士仲が良く、引っ越していたせいで会えなかったがこれからはしょっちゅう遊びに来るとのこと。嫌がる美々利と、碧兎も仲良くなる気はない宣言。そんななか、転けそうになった彼女をとっさに支えた碧兎。顔が近いたことにドキドキしながらお礼を言う美々利と、目を見開いて驚く碧兎。どうしてそんなに驚かれたのか不思議に思っていると、碧兎が美々利に相談を持ちかける。
なんと彼は“女の子に耳を触られるとウサギになってしまう体質”なのだという。信じない美々利だが、碧兎は証拠を見せると言いひまりに耳を触らせる。すると彼は、本当に目の前でツヤツヤ毛並みの可愛らしいウサギに変わってしまったのだ!さっき美々利が触った時だけ、なぜか変身しなかった。だから協力してほしいことがあると。真剣な様子の碧兎に、美々利は断りきれず了承してしまう。

転)
彼の頼みとは“舞台に出ること”だった。自分が子役になったきっかけをくれた大切な人の最後の舞台への出演オファーを受け、どうしてもそれに参加したいと。自分になにができるか分からない美々利だったが、付き添いとして彼の側で必死に体を張る。真剣な様子の碧兎に、だんだんと心が動かされる美々利。碧兎もまた、一生懸命な美々利を見て好印象を抱く。二人の頑張りのおかげで舞台は無事成功、と思いきや最後の最後暗幕が下りる瞬間碧兎がウサギに!美々利が機転を効かせて、なんとかバレることなく終了した。

結)
こうして美々利は無事お願いを達成したが、碧兎はなにかと彼女に構うようになる。彼女のスケッチブックに自分の舞台の様子が描かれているのを偶然見てしまい、ドキドキする碧兎。彼の妹であるひまりも美々利に懐く。
「なにかお礼したいんだけど」「じゃあ、ウサギになった高月君をなでたいんだけど」「…別に、いいけど」
大満足の美々利と、心臓の音がうるさい碧兎。彼がウサギに変身する体質の謎は解けないまま、これからも二人の学校生活は波乱の予感であった。
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