第1話
文字数 551文字
道端に太った財布が落ちていた。
誰かが落としたのだろう。
所は、赤提灯輝く繁華街・・・ミッドナイト。
僕? もちろん、飲んでますよ~。
でも、目の前の財布を見過ごすほど酔いは回っていない。
財布っぽいが・・・財布だ。
ちょっと中を改めさせて頂くかな。
あぁぁぁ、サービスポイントカードの類ね。
あとこの人レシート溜め込む癖があるな。
それで財布が太るんだ。
現金もあるかな?
「お前、悪者か?」
いきなり財布の中のコインがしゃべりだした。
悪者かと問われ、とっさに僕は首を横に振った。
「ふぅ~ん」
しゃべるコインは、少し疑い深そうに僕を見た。
「俺らは、ふつうは口を利かない。静かに小銭の中に混じっている。
だがな、正当な取引でなく金を得た場合は別だ。
お前らの良心に訴え不正をただすのが俺らの役目だ」
やっぱり酔っているかも・・・などと思いながら
「僕は、別にやましいことはない。
拾った財布を届ける前に
『お金がいくらか入っているのか』と思って開けただけだ」
とコインに答えた。
コインは、再度こちらをジロリと睨みながら
「やましいこと考えるなよ」
と言って静かになった。
・・・気持ち悪い。
僕は、その財布を早速、交番に届けた。
しゃべるコインのことは、言わなかった。
誰かが落としたのだろう。
所は、赤提灯輝く繁華街・・・ミッドナイト。
僕? もちろん、飲んでますよ~。
でも、目の前の財布を見過ごすほど酔いは回っていない。
財布っぽいが・・・財布だ。
ちょっと中を改めさせて頂くかな。
あぁぁぁ、サービスポイントカードの類ね。
あとこの人レシート溜め込む癖があるな。
それで財布が太るんだ。
現金もあるかな?
「お前、悪者か?」
いきなり財布の中のコインがしゃべりだした。
悪者かと問われ、とっさに僕は首を横に振った。
「ふぅ~ん」
しゃべるコインは、少し疑い深そうに僕を見た。
「俺らは、ふつうは口を利かない。静かに小銭の中に混じっている。
だがな、正当な取引でなく金を得た場合は別だ。
お前らの良心に訴え不正をただすのが俺らの役目だ」
やっぱり酔っているかも・・・などと思いながら
「僕は、別にやましいことはない。
拾った財布を届ける前に
『お金がいくらか入っているのか』と思って開けただけだ」
とコインに答えた。
コインは、再度こちらをジロリと睨みながら
「やましいこと考えるなよ」
と言って静かになった。
・・・気持ち悪い。
僕は、その財布を早速、交番に届けた。
しゃべるコインのことは、言わなかった。