第1話

文字数 344文字

 兄が大学生になる。18歳はもう大人。私は、大人になりたくない。ずっと16歳のままでいたい。
 幼い頃は早く大人になりたかった。大人になって、好きな事を沢山したかった。けど、現実は違った。大人になるにつれて悩み事ばかり増えてゆく。進路にお金に、政治や環境問題について。それに加えて、大人に対しての不信感を薄々感じ始めた。お金で物事を解決させようとしたり、平和よりも争いを好んだり。全ての大人がそうではないが、大人になるにつれてそう言う腐った考えになってしまうのが怖かった。
 ふと、兄に問い掛けた。
「大人になるのが怖くないの?」
「怖いけど、大人になるという事実は変えようもないことなんだよ。」
 兄の背中は大人だった。私が悩んでい私が見たり聞いたりしていた大人が“子供”だっただけなのかもしれな
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