小保方晴子さんへ

文字数 1,529文字

小保方晴子研究員に起きたSTAP細胞捏造疑惑事件について小保方氏の著書二冊と、第三者が小保方氏の立場に立って書いた著書を一冊読んだ。須田桃子記者の『捏造の科学者』は最初から読む値打ちがないと思っていたが、何と第46回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。受賞対象の年内に発刊するため、その年に発表されたこの事件の新事実は無視して出版したという。この記者には、人間として普通の良心がないのかと思う。

一番の黒は、小保方氏の上司であり、研究を支配していた若山氏である。問題が騒ぎになると、事実を忘れたり、機密事項を新聞社や大勢の人に開示したりして、小保方氏を唖然とさせている。

学会の要職にある人、理研内部の人も、小保方氏叩きに熱心に参加し、彼女に公正な再実験をさせなかった。特に女性が多かったという。

笹井氏も精神的に追い詰められて自殺し、それにより科学的証拠の多くが失われた。

早稲田大学の関係者たちも、最初から小保方氏の博士号を無効化するために動いていた。小保方氏は精神的にも身体的にも追い詰められていた中で修正を提出したが、最初から彼女の博士号を剥奪することは決まっていた。

理研は組織は守ったが、小保方氏を守ることは一切しなかった。怪しいサイトで、内部の人しか知らない情報がやり取りされ、小保方氏への攻撃に使われた。

そして2024年の今に至るまで小保方氏の名誉は回復されていないし、適切な科学的検証もされていない。ドイツかどこかの国でSTAP細胞の追試がされた論文も出ている。

STAP細胞は、理研の新しい組織に花を添えるものだったらしい。それがこんな大騒ぎに発展したので、理研の上層部が怒り狂って、関係者を徹底的に糾弾せよということになったらしい。

しかし、小保方氏という一人の研究員を、正しくない方法でいじめ抜き、心身に障害を与え、ちゃんとした理由なしに博士号を剥奪し、論文の些細なミスを大げさに騒ぎ立てて攻撃した人は、今に至るまで一人も法の裁きを受けてない。学会の要職にある人も、理研内部の人も、理研上層部の人も、早稲田大学の関係者も、小保方氏を不当に傷つけたマスコミや「記者」も。特に須田桃子記者には、人間として普通の良心がないのかと思う。

日本の研究所を選ばず、バカンティ研とか海外に就職していれば、小保方氏はこんな酷い目に遭わなかったと思う。日本の研究所を選んだ時点で、また小保方氏が一見チャラチャラして見えた点も、慎重ではなかった。でも、こんな仕打ちを受ける理由はない。

小保方氏はいま都内で恋人もいて、菓子店でお菓子を作っているという噂も聞いた。しかし、50を過ぎてから博士号を取り、理系ではないが活躍した研究者もいるので、もし本当に科学を愛しているなら、バカンティ研でも、他のアメリカでもヨーロッパでも海外に行って一からやり直すのもありだ。そこまでもう熱意あるいは気力がないと言うなら仕方ないが。

汚い言葉で非難したわけではないが、iPS細胞で小保方氏の研究の前にノーベル賞を受賞した、山中伸弥教授も、STAP細胞について否定的な態度を取ったらしい。他にもミューズ細胞とか似たような研究があり、STAP細胞が出来てしまうと困る人もいたようだ。

小保方氏が笹井氏と異なり自殺しなかったのはよかったと思うが、まだ若さはあるのだから、科学者として再チャレンジの可能性もあると思う。

恋人とお菓子を作って余生を過ごすのがいいのか、科学者として再チャレンジするかは、小保方氏次第だ。その時、若いときと異なり人を見る目を持って、若山氏みたいな人に引っかからないように、また残念ながら日本の研究所は選ばないようにして欲しい。

小保方氏の今後の幸せとご活躍をお祈りします。



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