第10話-    融点36.5°C

文字数 143文字

後で起こして とだけ書いた手紙を持ってあなたは私を迎えに来てくれた。

冷凍保存された身体をクーラーボックスに入れて部屋へと運んでくれた。

私が目覚めるのを待つあなたの目には涙が浮かんでいる。

涙の意味を決めあぐねている私に温もりが戻って、

融点36.5°C、消える間際のあなたの手は暖かかった。
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