第1話
文字数 1,916文字
〈エネルギーバランス⭐〉
やりたくてはじめた仕事だった。
いまの自分の本心と向き合って、望んで、やっと扉がひらいた仕事だった。わたしが希望する条件にぴったりの仕事だった。
「めっちゃ、楽しい!」
実際にやってみた初日のわたしの感想。
いい仲間にも恵まれた。刺激もある。利益を追求することなく、奉仕の精神で人と接することができる理想の職場だった。
そんな仕事にめぐり合え、二ヶ月がたつ。楽しい気持ちはいまも変わらない。
けれど、一つ問題が出てきた。体力的なこと。半日仕事なら平気だったので、いままで気づかなかった。
連勤で、はじめて一日フル稼働した。長距離を走ったあとみたいになった。
もう、動きたくない。クッタクタ――。。
精根つきた感覚を味わうのは久しぶりだったので、自分でもなかなか自覚ができなかった。
少し時間がたって、頭に疑問がよぎる。
〈この仕事、続けて大丈夫なのかな?〉
数日すると回復した。
〈慣れれば大丈夫なのかな?〉
また新しい気持ちで出勤する。けれど、やっぱりこの日も、丸一日働いた身体は限界を超え、家に帰って動けなかった。症状はさらに悪化して、頭痛もする。吐き気もする。
〈もうダメ……〉
そう思ったとき、答えが出た。
〈いまのわたしが本当にしたいことは、本を読んで学び、文章を書くこと〉だと――。
この仕事は、わたしが本当にしたい魂の仕事ではない。
この仕事をはじめた目的は、魂の仕事をするための準備みたいなものだった。助走みたいなものだった。
二ヶ月が経ち、魂の仕事に集中できないほど、助走の段階ですでにエネルギーを消耗していることに気づく。
二ヶ月前のわたしとは、やりたいことが変わってきていた。
今週は仕事が入っていなかったので、書きかけの文を書こうと決めていた。
それなのに、勤務先から出勤依頼の電話が入ると、ついついうれしくなり、二つ返事をしてしまう。
本当にやりたいことが後回しになり、やりかけが増えていた。
浜辺にいって裸足になり、波とたわむれる。初夏のプライベートビーチは、ちょうど夏至の太陽が真上にあった。
心ゆくまで自然を堪能した身体は、また復活していた。
そうなると、再び欲が出る。
〈やりたいと思うことはすべてやりたい〉
いましている仕事も、本当にやりたいことも――。
〈それなら、身体を鍛えるといいのかな?〉
もう、どうすればいいのかわからなくなって、天に聞いた。
〈教えて!〉
すると、その日のうちに、遊びで引いた龍神タロットから、こんな情報が目に入ってきた。
〈いまのあなたが本当にすべきことは、そのまま人に頼まれた仕事を引き受けて忙しい毎日を送ったり、人に使われてエネルギーを使い果たすことではありません。
いまのあなたはもっと、自分が本当にやりたいことのために勉強したり、いろいろな物を吸収したりして、自分を豊かに深めていくべきときです。
それは、本当に自分のやりたいことなのか、今一度心に聞いてみてください〉
問いの答えになっていて、すごく響いた。
早速翌日、本当にやりたいことのために、勇気を持って、一日仕事をすべてキャンセルした。
職場で仲間に話してみると、その人も同じ考えで、すでにそうしていた。
これで良かったと思えた。
仕事をキャンセルしたその日の夜、知り合いから連絡が入った。
「プリシラさんがされている活動について、話を聞いてみたいという人がいます」
魂の仕事として、趣味の範囲でしていた本作り。それに興味を持ってもらえたようだ。
お役に立てるかどうかわからないけれど、快諾した。
「三週間後の土曜日の夜に、すでにその方と二人で話す約束をしているのですが、プリシラさんのご都合はいかがですか?」
三週間後の土曜の夜――。
それは、わたしが仕事をキャンセルしていなければ、OKが出せなかった日だった。
まるで、この通話に参加するために、仕事をキャンセルしたかのような気持ちになった。
わたしだから、できること――。
魂の仕事って、こういうことなんだろうな。
ふと、目の前にあるポットを見ると、デザインの一部にこんなメッセージが書かれていた。
「If you wont to keep fit and life fine , the best way is to lead a simple life.」
そう、生活をシンプルにする。
まさにいまのわたしへのメッセージ。
なにかを手に入れるには、別のなにかを手放すことも必要。
したいことがあるなかで、わたしが一番エネルギーを注ぎたいことは何なのか?
バランスをうまくとれるように、自分のエネルギー配分を考えよう。
やりたくてはじめた仕事だった。
いまの自分の本心と向き合って、望んで、やっと扉がひらいた仕事だった。わたしが希望する条件にぴったりの仕事だった。
「めっちゃ、楽しい!」
実際にやってみた初日のわたしの感想。
いい仲間にも恵まれた。刺激もある。利益を追求することなく、奉仕の精神で人と接することができる理想の職場だった。
そんな仕事にめぐり合え、二ヶ月がたつ。楽しい気持ちはいまも変わらない。
けれど、一つ問題が出てきた。体力的なこと。半日仕事なら平気だったので、いままで気づかなかった。
連勤で、はじめて一日フル稼働した。長距離を走ったあとみたいになった。
もう、動きたくない。クッタクタ――。。
精根つきた感覚を味わうのは久しぶりだったので、自分でもなかなか自覚ができなかった。
少し時間がたって、頭に疑問がよぎる。
〈この仕事、続けて大丈夫なのかな?〉
数日すると回復した。
〈慣れれば大丈夫なのかな?〉
また新しい気持ちで出勤する。けれど、やっぱりこの日も、丸一日働いた身体は限界を超え、家に帰って動けなかった。症状はさらに悪化して、頭痛もする。吐き気もする。
〈もうダメ……〉
そう思ったとき、答えが出た。
〈いまのわたしが本当にしたいことは、本を読んで学び、文章を書くこと〉だと――。
この仕事は、わたしが本当にしたい魂の仕事ではない。
この仕事をはじめた目的は、魂の仕事をするための準備みたいなものだった。助走みたいなものだった。
二ヶ月が経ち、魂の仕事に集中できないほど、助走の段階ですでにエネルギーを消耗していることに気づく。
二ヶ月前のわたしとは、やりたいことが変わってきていた。
今週は仕事が入っていなかったので、書きかけの文を書こうと決めていた。
それなのに、勤務先から出勤依頼の電話が入ると、ついついうれしくなり、二つ返事をしてしまう。
本当にやりたいことが後回しになり、やりかけが増えていた。
浜辺にいって裸足になり、波とたわむれる。初夏のプライベートビーチは、ちょうど夏至の太陽が真上にあった。
心ゆくまで自然を堪能した身体は、また復活していた。
そうなると、再び欲が出る。
〈やりたいと思うことはすべてやりたい〉
いましている仕事も、本当にやりたいことも――。
〈それなら、身体を鍛えるといいのかな?〉
もう、どうすればいいのかわからなくなって、天に聞いた。
〈教えて!〉
すると、その日のうちに、遊びで引いた龍神タロットから、こんな情報が目に入ってきた。
〈いまのあなたが本当にすべきことは、そのまま人に頼まれた仕事を引き受けて忙しい毎日を送ったり、人に使われてエネルギーを使い果たすことではありません。
いまのあなたはもっと、自分が本当にやりたいことのために勉強したり、いろいろな物を吸収したりして、自分を豊かに深めていくべきときです。
それは、本当に自分のやりたいことなのか、今一度心に聞いてみてください〉
問いの答えになっていて、すごく響いた。
早速翌日、本当にやりたいことのために、勇気を持って、一日仕事をすべてキャンセルした。
職場で仲間に話してみると、その人も同じ考えで、すでにそうしていた。
これで良かったと思えた。
仕事をキャンセルしたその日の夜、知り合いから連絡が入った。
「プリシラさんがされている活動について、話を聞いてみたいという人がいます」
魂の仕事として、趣味の範囲でしていた本作り。それに興味を持ってもらえたようだ。
お役に立てるかどうかわからないけれど、快諾した。
「三週間後の土曜日の夜に、すでにその方と二人で話す約束をしているのですが、プリシラさんのご都合はいかがですか?」
三週間後の土曜の夜――。
それは、わたしが仕事をキャンセルしていなければ、OKが出せなかった日だった。
まるで、この通話に参加するために、仕事をキャンセルしたかのような気持ちになった。
わたしだから、できること――。
魂の仕事って、こういうことなんだろうな。
ふと、目の前にあるポットを見ると、デザインの一部にこんなメッセージが書かれていた。
「If you wont to keep fit and life fine , the best way is to lead a simple life.」
そう、生活をシンプルにする。
まさにいまのわたしへのメッセージ。
なにかを手に入れるには、別のなにかを手放すことも必要。
したいことがあるなかで、わたしが一番エネルギーを注ぎたいことは何なのか?
バランスをうまくとれるように、自分のエネルギー配分を考えよう。