第1話
文字数 2,695文字
中学校に入り、パソコン部に入部しました。
必ず何かの部に入らないといけなかったので、仕方なくです。
そこには僕が小学生の頃に、僕の持っていたメガネケースを使って、ケツの穴の仕組みを教えてくれた先輩もいました。
しかしその先輩とのエピソードは、残念ながらこれ以上はありません。
ケツの穴・オンリーです。
何故なら僕が中学校入学と同時に、学級委員的な存在になったため、部活に全く顔を出せなくなったからです。
その顔を出せない間に、3年生は引退してしまいました。
つまりその先輩は3年生でした。
勿論顔を出せた時もあったのですが、その時その先輩はいませんでした。
何のことは無い、その先輩は幽霊部員だったのです。
しかしもしタイミングが会えば、もっといろんな話をして下さったに違いありません。
もしかしたら今度は本物のケツの穴で、メガネケースの仕組みを教えてくれたかもしれません。
さて、今回の話は僕が3年生になり、引退してからの話です。
ちなみに僕は3年生になると、あまりパソコン部には行かなくなります。
決して幽霊部員になったわけではありません。
そう、体育のハードル走の授業で足を骨折したので休んでいたのです。
……いや文化部なんだからいけるだろ、と、お思いになるお方もいると思います。
でも僕は、立てかけていた松葉杖が急に倒れて床に叩きつけられたら、うるさいだろう、と思い、休むことにしたのです。
……すみません、塾を優先していました。
英語と数学が苦手なもんで、へへっ。
……いや塾も毎日あるわけではないだろう、と、お思いになるお方もいると思います。
≪まあそうなんですけども≫
さて、意味の分からないズル休みを使っていた僕は、きっと先生から嫌われていたと思います。
・
・
・
『県のコンクールでベスト4に入りました』
2年生の時点で惜しいところまでいっていた(らしい)僕の闘い。
僕は3年生の時に県のコンクールでベスト4に入りました。
しかも、中学生の部ではなく、一般の部で。
高校生や専門学校生、社会人が参戦してくる一般の部で、中学生がベスト4です。
後輩の女子もベスト4に入ったらしいですが、それは中学生の部みたいです。
一般の部は僕だけです、やりました!
僕が楽しみだったのは、その副賞です。
昔、うちの母親はこんなことを言っていました。
「標語のコンクールで賞を獲った時、副賞に大きな電気スタンドをもらったことがある」と。
でもまあその副賞自体は気に入らなかったらしく、母親は自分の兄が何かの賞で手に入れた万年筆と交換してもらったらしいですが、副賞を手にしていなければ、物々交換も存在していないわけですから、やっぱりコンクールで副賞を得るということは素晴らしいことなのです。
僕が先生から副賞を受け取ったのは、引退をしてからでした。
どうやら副賞が届いたのは、やたら遅かったみたいです。
先生に呼び出された僕は、友達2人と、計3人で副賞を受け取りに行きました。
そして先生は言いました。
「これ副賞だけども、絶対学校の中では開けないでね! そういうきまりだから! 絶対開けたらダメだからね! 本当に開けないでね! 本当に開けたらダメだからね!」
それに対して、友達は。
「いいじゃないですか。おい、空也(本来なら本名です)開けようぜ」
と言うと、すぐさま先生が、
「ダメダメダメダメ! 絶対開けたらダメ! 本当にダメだから! 学校の中で開けたら絶対ダメ! 本当にダメなんだから!」
僕は浦島太郎の乙姫よりも開けたらダメって言ってるなぁ、と思っていました。
結局僕は先生の言うことを聞いて、開けない選択をしました。
それに対して友達は「空也は本当に真面目だなぁ」と言いつつ、無理やり開けたりとかは無く、僕の意見を尊重してくれる優しい友達なのです。
部活はズル休みしますが、真面目キャラの僕でしたっ。
さて、家に帰ってきた僕は早速、副賞の箱を開けることにしました。
そしてそこにはどんな電気スタンドが入っているのか、と、思いながら開けると……!
≪わぁ! ミチコロンドンの小さなバッグだぁっ!≫
……あれ、何だこの違和感……何か、何か、女性物の道具に見える……いや確かに、僕はクラスメイトの男子からも女子からも、
「空也くんって痩せているけども、何か女子みたいな体つきしているよね」
「空也のお尻プリプリじゃん! 女子じゃん!」
「俺さ、空也見てると何か思い切り抱きつきたくなる時あるんだけども」
と言われるくらい、女子っぽい雰囲気出てたけども、まさかコンクールがそのことをいじってくるとは……。
おい! オラぁっ! ベスト4だぞ! 中学生が一般の部でベスト4だぞ!
いじってくんなやぁっ! 筋肉が付きづらいの、ずっと悩んでんだからなぁっ!
……いや違う!
ジュノン・ボーイの書類選考じゃないんだから、写真貼って投稿してない!
じゃあどういうことだっ!
思い出せ、思い出せ、どこかに答えがあるはずだ……。
”僕の持っていたメガネケースを使って、ケツの穴の仕組みを教えてくれた先輩”
”体育のハードル走の授業で足を骨折したので休んでいたのです”
”後輩の女子もベスト4に入ったらしいですが、それは中学生の部みたいです”
”僕が先生から副賞を受け取ったのは、引退をしてからでした”
”どうやら副賞が届いたのは、やたら遅かったみたいです”
”浦島太郎の乙姫よりも開けたらダメって言ってるなぁ”
……!
後輩の、女子も、ベスト4に、入った、という、ことは、ソイツも、副賞、もらってる……?
一般の部男子の副賞って何かな?
いや、中学生女子の副賞って何かな?
≪ミチコロンドンのバッグって、まるで中学生女子に送る副賞みたいだな≫
……っ!
”でもまあその副賞自体は気に入らなかったらしく、母親は自分の兄が何かの賞で手に入れた万年筆と交換してもらったらしいですが、副賞を手にしていなければ、物々交換も存在していないわけですから”
≪……勝手に物々交換されている……!≫
副賞が遅いは揉み消そうとしたから?
「学校で開けるな!」は、一緒にいた友達が体育会系の2人だったから、その場で開けて、文句を言われないために?
あーぁ。
あなただけは絶対に許さないっ!
必ず何かの部に入らないといけなかったので、仕方なくです。
そこには僕が小学生の頃に、僕の持っていたメガネケースを使って、ケツの穴の仕組みを教えてくれた先輩もいました。
しかしその先輩とのエピソードは、残念ながらこれ以上はありません。
ケツの穴・オンリーです。
何故なら僕が中学校入学と同時に、学級委員的な存在になったため、部活に全く顔を出せなくなったからです。
その顔を出せない間に、3年生は引退してしまいました。
つまりその先輩は3年生でした。
勿論顔を出せた時もあったのですが、その時その先輩はいませんでした。
何のことは無い、その先輩は幽霊部員だったのです。
しかしもしタイミングが会えば、もっといろんな話をして下さったに違いありません。
もしかしたら今度は本物のケツの穴で、メガネケースの仕組みを教えてくれたかもしれません。
さて、今回の話は僕が3年生になり、引退してからの話です。
ちなみに僕は3年生になると、あまりパソコン部には行かなくなります。
決して幽霊部員になったわけではありません。
そう、体育のハードル走の授業で足を骨折したので休んでいたのです。
……いや文化部なんだからいけるだろ、と、お思いになるお方もいると思います。
でも僕は、立てかけていた松葉杖が急に倒れて床に叩きつけられたら、うるさいだろう、と思い、休むことにしたのです。
……すみません、塾を優先していました。
英語と数学が苦手なもんで、へへっ。
……いや塾も毎日あるわけではないだろう、と、お思いになるお方もいると思います。
≪まあそうなんですけども≫
さて、意味の分からないズル休みを使っていた僕は、きっと先生から嫌われていたと思います。
・
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『県のコンクールでベスト4に入りました』
2年生の時点で惜しいところまでいっていた(らしい)僕の闘い。
僕は3年生の時に県のコンクールでベスト4に入りました。
しかも、中学生の部ではなく、一般の部で。
高校生や専門学校生、社会人が参戦してくる一般の部で、中学生がベスト4です。
後輩の女子もベスト4に入ったらしいですが、それは中学生の部みたいです。
一般の部は僕だけです、やりました!
僕が楽しみだったのは、その副賞です。
昔、うちの母親はこんなことを言っていました。
「標語のコンクールで賞を獲った時、副賞に大きな電気スタンドをもらったことがある」と。
でもまあその副賞自体は気に入らなかったらしく、母親は自分の兄が何かの賞で手に入れた万年筆と交換してもらったらしいですが、副賞を手にしていなければ、物々交換も存在していないわけですから、やっぱりコンクールで副賞を得るということは素晴らしいことなのです。
僕が先生から副賞を受け取ったのは、引退をしてからでした。
どうやら副賞が届いたのは、やたら遅かったみたいです。
先生に呼び出された僕は、友達2人と、計3人で副賞を受け取りに行きました。
そして先生は言いました。
「これ副賞だけども、絶対学校の中では開けないでね! そういうきまりだから! 絶対開けたらダメだからね! 本当に開けないでね! 本当に開けたらダメだからね!」
それに対して、友達は。
「いいじゃないですか。おい、空也(本来なら本名です)開けようぜ」
と言うと、すぐさま先生が、
「ダメダメダメダメ! 絶対開けたらダメ! 本当にダメだから! 学校の中で開けたら絶対ダメ! 本当にダメなんだから!」
僕は浦島太郎の乙姫よりも開けたらダメって言ってるなぁ、と思っていました。
結局僕は先生の言うことを聞いて、開けない選択をしました。
それに対して友達は「空也は本当に真面目だなぁ」と言いつつ、無理やり開けたりとかは無く、僕の意見を尊重してくれる優しい友達なのです。
部活はズル休みしますが、真面目キャラの僕でしたっ。
さて、家に帰ってきた僕は早速、副賞の箱を開けることにしました。
そしてそこにはどんな電気スタンドが入っているのか、と、思いながら開けると……!
≪わぁ! ミチコロンドンの小さなバッグだぁっ!≫
……あれ、何だこの違和感……何か、何か、女性物の道具に見える……いや確かに、僕はクラスメイトの男子からも女子からも、
「空也くんって痩せているけども、何か女子みたいな体つきしているよね」
「空也のお尻プリプリじゃん! 女子じゃん!」
「俺さ、空也見てると何か思い切り抱きつきたくなる時あるんだけども」
と言われるくらい、女子っぽい雰囲気出てたけども、まさかコンクールがそのことをいじってくるとは……。
おい! オラぁっ! ベスト4だぞ! 中学生が一般の部でベスト4だぞ!
いじってくんなやぁっ! 筋肉が付きづらいの、ずっと悩んでんだからなぁっ!
……いや違う!
ジュノン・ボーイの書類選考じゃないんだから、写真貼って投稿してない!
じゃあどういうことだっ!
思い出せ、思い出せ、どこかに答えがあるはずだ……。
”僕の持っていたメガネケースを使って、ケツの穴の仕組みを教えてくれた先輩”
”体育のハードル走の授業で足を骨折したので休んでいたのです”
”後輩の女子もベスト4に入ったらしいですが、それは中学生の部みたいです”
”僕が先生から副賞を受け取ったのは、引退をしてからでした”
”どうやら副賞が届いたのは、やたら遅かったみたいです”
”浦島太郎の乙姫よりも開けたらダメって言ってるなぁ”
……!
後輩の、女子も、ベスト4に、入った、という、ことは、ソイツも、副賞、もらってる……?
一般の部男子の副賞って何かな?
いや、中学生女子の副賞って何かな?
≪ミチコロンドンのバッグって、まるで中学生女子に送る副賞みたいだな≫
……っ!
”でもまあその副賞自体は気に入らなかったらしく、母親は自分の兄が何かの賞で手に入れた万年筆と交換してもらったらしいですが、副賞を手にしていなければ、物々交換も存在していないわけですから”
≪……勝手に物々交換されている……!≫
副賞が遅いは揉み消そうとしたから?
「学校で開けるな!」は、一緒にいた友達が体育会系の2人だったから、その場で開けて、文句を言われないために?
あーぁ。
あなただけは絶対に許さないっ!