スナイパーレイン

　俺の名はレイン。勿論偽名だ。
いや異名と言えば良いのだろう。
何故そんな名がついたか。それは・・・。

　俺の生い立ちなどを。俺は日本で生まれた、生粋の日本人だ。
子供の頃よりミリタリーオタクで、身体や脳味噌が優秀だったので、自衛隊ではなくアメリカ海兵隊へと入隊した。
中々の難関だったが、最新の兵器を扱えるだけで、俺には天国の様な世界だった。

　任務で色んな戦地に赴いたが、俺には人より優れた能力が１つあった。それが狙撃だった。
　だが隊１番、いやアメリカ、世界でも３本の指に入る俺の能力には１つだけ難点があった。
それは、俺が任務で敵を狙うと雨が降るのだ。
まるで測ったかのように。
　雨は狙撃兵には不利なのだ、何より遠くが見えない。従って俺は段々と近距離の狙撃兵へと回っていった。

　付いたあだ名が、スナイパーレインと言う訳だ。砂漠なら大丈夫かと思えば。砂嵐か、百年に一度の雨が降る。
　まったく、どうなってやがるのやら。
俺は進退窮まり、牧師さんに相談した。
　すると牧師さん、

「神様が、あなたに人を殺してはいけないと、咎めているのです。仕事を辞めなさい」

と得々と説き伏せてくれた。
だが根っからのミリタリーオタクで、他に特技もない俺は軍を退役して。
いつしか殺し屋へと身を落としていた。
そして、元より兵士の俺は、暗黒街を震え上がらせる殺し屋と成っていった。