『 転生の 非常識 』
文字数 1,970文字
『 転生 管理 委員会 』というものが実在する。
例のあの、後進霊たちの転生課題を指導し、正しい魂の養育と錬成にいそしむ?
上級霊たちによる…
ボランティア団体?である。
はっきりした組織体系などは、いまいち不明だ。
なぜなら、私はまだまだ駆け出しの、下っ端~に、過ぎないからだ。
請け負っている業務は。
いわゆる『お迎えです。』的な…
ここ数年、厄介な疫病が蔓延しまくっているが。
さらに厄介なことには。脳みそ筋肉?のバカどもが。
『疫病なんて実在しない! すべてはデマである!』だの。
『疫病なんか恐くない! オレ様の免疫力は無敵だ~ッ!』だの!
アホを主張し続けた挙句に。
あっさり罹患して発症して重症化して。
文字通り『地獄の苦しみ』のうちに…
窒息死、して。
ハタと気が付いたら、自分が死んでいる!
(霊体?になっている…。)
『…嘘だ~っ!! 何かのデマだッ! 陰謀だッ!』
「はいはい。」(デマで幽体離脱ができるのか、あんたは?)
『返せ! オレ様の、ナイスな筋肉美のボディーに… 今すぐ戻せッ!』
「はいはい。」(もう火葬されちゃったから…無理。)
と…。
見苦しくも未練がましく、泣き喚いて暴れる、死んだという自覚の薄い、低俗霊どもを…
捕獲して捕縛して、ひたすら大量に。
『転生管理委員会』の『入界管理局』担当部署へと、
送り付ける…
のが。
現在の私の、『霊的任務』である…。
(まぁもちろん肉体の『目が覚めた』時には。
『あ~★ また変な夢観た★』しか、覚えていないんだけど…)
しかし疫病も、こう長々と…
数年も続くと。
当初こそは、自分の不慮不遇の病死に納得できなくて、哭いて暴れる霊たちの。
陸続たる大群に…、呆然としつつも、手を焼かされたもんだったが…
最近は…
みんな、もう、諦めたのか…??
変に、静かに…
暴れもせず、抵抗しもせずに…
捕獲され、おとなしく…
唯々諾々として…
…いや、むしろ、嬉々として…??
昇天、してくる…
別の部署?で。
暴れはしないが、めそめそと自虐的に泣き沈んで地縛霊化しかねない連中を。
なだめすかして、なんとか霊界まで引っ張って来る係。
を、こなしていた連中も…
最近は、みんな。
人生の半ば、若くして死んだことを、ほとんど嘆きも哀しみもせずに…
おとなしく。
昇天。
してきてしまう。…と言う…
「…まぁ、ラクで、良いんだけど…」
「う~ん。まぁ、現代日本人のかなりの部分が、転生説の信奉者だし。
なんかそれ関係… あるのかなぁ…??」
なんて、話をしつつ。
下っぱクラスの送迎スタッフが暇をかこっていたころ。
異変は。
起きていた…
「あたしぃ、ちゃんと消毒も自粛もしてたのに~ 死んだんだから~…
可哀想な~! …被害者! ですよね…?」
「ぼくもですっ! だから自分の希望通りの転生を!
…する権利が! …あるんですよねッ?」
「…はぁ?!」
自信満々で天界の入り口にやって来ては、
『自分は被害者である』
『裁かれるほどの悪いことは何もしていない』
『地獄に落とされるわけがない。』
『可哀想な死にかたをした人は、
望む通りのシアワセな来世が、
約束されてるんですよね?!』
「…なんだそりゃ…!?」
…『霊界の転生常識』(罪障浄化=輪廻転生の法則)を…
完ッ全に! 無視した…
珍妙な『オトギ話』の『自分ルール』を展開する、
妄霊たちの大群に…
『転生管理委員会』の古株たちは、(肉体もないのに)
めまいを起こした…
「あたしー、美容スタッフだったんです~。
それをチートとして活かせるよーな、おしゃれな、可愛い、もっふもふの異世界に~☆」
「もッちろん!美形の王子様との出会い付きで~♡」
「贅沢は言わねーけど戦士希望!
今生は早死にしたんだから、HPだけはMAX最高で付けといてくれよな!
今度こそは長生きして、勇者になって名誉と美女を得て~、
天寿を全うしたいんで!」
「今生ではSEだったんです… その知識を活かせる転生先というと…
やはり異世界ファンタジーと言うより、SF未来社会?
できれば高知能で文武両道のサイバー戦士な設定で、お願いします…」
…
…
…
古株霊たちは。
あまりの!
『転生知識の無常識』っぷりに…
へたりこんだ…
「…誰だ~ッ!! こんッな変な『転生』観を蔓延させやがった?
怪しい新興宗教?の教祖は~っ?!!!!」
「…閻魔様、閻魔様…。
なにやら『ラノベ』読者とか?
『ゲーマー』狂徒?…とか、言う?
新しい集団? らしいですぜ…」
「…責任者! 出て来-----いッ!」
かくて。
『転生管理委員会』においては。
『輪廻転生の法則に関する誤った認識を、
世間に流布蔓延せしめた罪!』という…
新しい、罪名が。
裁定リストに、加えられた…。
(気を付けよう。ラノベ&ゲーム業界の皆さん…)
例のあの、後進霊たちの転生課題を指導し、正しい魂の養育と錬成にいそしむ?
上級霊たちによる…
ボランティア団体?である。
はっきりした組織体系などは、いまいち不明だ。
なぜなら、私はまだまだ駆け出しの、下っ端~に、過ぎないからだ。
請け負っている業務は。
いわゆる『お迎えです。』的な…
ここ数年、厄介な疫病が蔓延しまくっているが。
さらに厄介なことには。脳みそ筋肉?のバカどもが。
『疫病なんて実在しない! すべてはデマである!』だの。
『疫病なんか恐くない! オレ様の免疫力は無敵だ~ッ!』だの!
アホを主張し続けた挙句に。
あっさり罹患して発症して重症化して。
文字通り『地獄の苦しみ』のうちに…
窒息死、して。
ハタと気が付いたら、自分が死んでいる!
(霊体?になっている…。)
『…嘘だ~っ!! 何かのデマだッ! 陰謀だッ!』
「はいはい。」(デマで幽体離脱ができるのか、あんたは?)
『返せ! オレ様の、ナイスな筋肉美のボディーに… 今すぐ戻せッ!』
「はいはい。」(もう火葬されちゃったから…無理。)
と…。
見苦しくも未練がましく、泣き喚いて暴れる、死んだという自覚の薄い、低俗霊どもを…
捕獲して捕縛して、ひたすら大量に。
『転生管理委員会』の『入界管理局』担当部署へと、
送り付ける…
のが。
現在の私の、『霊的任務』である…。
(まぁもちろん肉体の『目が覚めた』時には。
『あ~★ また変な夢観た★』しか、覚えていないんだけど…)
しかし疫病も、こう長々と…
数年も続くと。
当初こそは、自分の不慮不遇の病死に納得できなくて、哭いて暴れる霊たちの。
陸続たる大群に…、呆然としつつも、手を焼かされたもんだったが…
最近は…
みんな、もう、諦めたのか…??
変に、静かに…
暴れもせず、抵抗しもせずに…
捕獲され、おとなしく…
唯々諾々として…
…いや、むしろ、嬉々として…??
昇天、してくる…
別の部署?で。
暴れはしないが、めそめそと自虐的に泣き沈んで地縛霊化しかねない連中を。
なだめすかして、なんとか霊界まで引っ張って来る係。
を、こなしていた連中も…
最近は、みんな。
人生の半ば、若くして死んだことを、ほとんど嘆きも哀しみもせずに…
おとなしく。
昇天。
してきてしまう。…と言う…
「…まぁ、ラクで、良いんだけど…」
「う~ん。まぁ、現代日本人のかなりの部分が、転生説の信奉者だし。
なんかそれ関係… あるのかなぁ…??」
なんて、話をしつつ。
下っぱクラスの送迎スタッフが暇をかこっていたころ。
異変は。
起きていた…
「あたしぃ、ちゃんと消毒も自粛もしてたのに~ 死んだんだから~…
可哀想な~! …被害者! ですよね…?」
「ぼくもですっ! だから自分の希望通りの転生を!
…する権利が! …あるんですよねッ?」
「…はぁ?!」
自信満々で天界の入り口にやって来ては、
『自分は被害者である』
『裁かれるほどの悪いことは何もしていない』
『地獄に落とされるわけがない。』
『可哀想な死にかたをした人は、
望む通りのシアワセな来世が、
約束されてるんですよね?!』
「…なんだそりゃ…!?」
…『霊界の転生常識』(罪障浄化=輪廻転生の法則)を…
完ッ全に! 無視した…
珍妙な『オトギ話』の『自分ルール』を展開する、
妄霊たちの大群に…
『転生管理委員会』の古株たちは、(肉体もないのに)
めまいを起こした…
「あたしー、美容スタッフだったんです~。
それをチートとして活かせるよーな、おしゃれな、可愛い、もっふもふの異世界に~☆」
「もッちろん!美形の王子様との出会い付きで~♡」
「贅沢は言わねーけど戦士希望!
今生は早死にしたんだから、HPだけはMAX最高で付けといてくれよな!
今度こそは長生きして、勇者になって名誉と美女を得て~、
天寿を全うしたいんで!」
「今生ではSEだったんです… その知識を活かせる転生先というと…
やはり異世界ファンタジーと言うより、SF未来社会?
できれば高知能で文武両道のサイバー戦士な設定で、お願いします…」
…
…
…
古株霊たちは。
あまりの!
『転生知識の無常識』っぷりに…
へたりこんだ…
「…誰だ~ッ!! こんッな変な『転生』観を蔓延させやがった?
怪しい新興宗教?の教祖は~っ?!!!!」
「…閻魔様、閻魔様…。
なにやら『ラノベ』読者とか?
『ゲーマー』狂徒?…とか、言う?
新しい集団? らしいですぜ…」
「…責任者! 出て来-----いッ!」
かくて。
『転生管理委員会』においては。
『輪廻転生の法則に関する誤った認識を、
世間に流布蔓延せしめた罪!』という…
新しい、罪名が。
裁定リストに、加えられた…。
(気を付けよう。ラノベ&ゲーム業界の皆さん…)