第6話

文字数 1,345文字

「ロウ、やめろ」

ウィルは必死に海賊服を脱がそうとするロウに抵抗した。

ロウは抵抗をかわしウィルの海賊服を全て脱がせ全裸にした。

「ロウ、やめろ」

「ウィル、お前は俺のものだ」

そう口にするとロウはむりやりウィルの身体を奪い始めた。

その時、猫の眼の宝石に異変が起きた。

猫の眼の宝石は闇を纏いながら宙に浮いた。

「ロウ…やめろ…」

言葉で抵抗するもロウは聞かずウィルの身体を奪い続けた。

その後、ロウは気配を感じウィルへの行為を止め離れ立ち上がり猫の眼の宝石を見つめた。

ウィルも身体を起こし見つめた。

宙に浮いたまま猫の眼の宝石は闇に飲み込まれ猫の眼の宝石はただの黒水晶に変身した。

驚いた顔でウィルは全裸姿で立ち上がり見つめた。

「リーナが言っていた暴走…」

「……」

無言でロウが見つめると黒水晶になった猫の眼の宝石はロウの身体の中に入り込んだ。

「……」

ロウは仰向けで倒れた。

「ロウ!」

ウィルが近づこうとしたその時、ロウが立ち上がった。

「ロウ、大丈夫か?」

「大丈夫だ」

ロウは全裸姿のウィルを抱き寄せ唇を重ねた。

「……」

「……」

唇を離しロウが見つめるとウィルは赤い瞳に気づいた。

「ロウ、瞳の色が」

「……」

ロウはウィルから離れ口を開いた。

「全ての海賊の命を奪ってやる」

背中に黒い羽が生えロウは上空に飛んでいった。

「ロウ!」

ウィルは上空を見つめながら全裸姿で立ち尽くした。

「全裸姿で何をしてんだ」

「……」

背後から声をかけられ振り返ったウィルは海賊服姿の男性と美しい男性を見つめた。

「その服、海賊の服、もしかしてあなたは海賊では」

「そうだけど、君は?」

「海賊のウィル」

「……」

美しい男性はウィルに近づいた。

「あなたからリーナの気を感じる」

「リーナを知ってるんですか?」

「リーナの前に猫の眼の宝石を守っていました」

「あなたが海賊に恋をしてキャットフォレストを捨てたもの」

「ルーク、ウィルさんに服をお願い」

「わかった」

ルークは離れた場所から魔法でウィルの全裸に海賊服を着せた。

「ありがとうございます」

ルークに向かってウィルがお辞儀をすると美しい男性が口を開いた。

「猫の眼の宝石に何かあったんじゃありませんか?」

「暴走してしまって」

「詳しい話を聞かせてください」

「トニー」

ルークが声をかけるとトニーが口を開いた。

「ルーク、リーナに会ってくる、ルークはここで待ってて」

「あの?」

「リーナの元に行きましょうか」

そう口にするとトニーはウィルの手を掴みその場から姿を消しリーナの前に姿を現した。

リーナは驚いた。

「トニー!」

「猫の眼の宝石が暴走したって聞いたんだが」

「そのようだな」

「猫の眼の宝石は闇に飲み込まれ黒水晶に変身したその後、黒水晶はロウの身体の中に入り込みロウは赤い瞳で全ての海賊の命を奪ってやると言って上空に飛んでいった」

「暴走した猫の眼の宝石を止めるなんて俺にはできない」

リーナが口にするとトニーが口を開いた。

「リーナ、目を閉じながら猫の眼の宝石よ、出てこいと言ってみろ」

「わかった」

リーナは目を閉じながら「猫の眼の宝石よ、出てこい」と口にしリーナは目を開いた。

その時、宙に浮いたまま水晶の中に猫の眼の形をした黒い水晶が埋め込まれた猫の眼の宝石が出現した。

「……」

「……」

リーナとウィルは驚いた顔で猫の眼の宝石を見つめた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み