第3話

文字数 983文字

元土「ちょっと待ってください!」
教室から出ていく彼女を追いかける。廊下を出ると階段近くの前で俺のことを待っていた。
未来「来たわね、行きましょう」
元土「帰るんですよね?」
未来「あなたも一緒に私の家に来るのよ」
俺の頭ははてなマークでいっぱいだった。
元土「はぁ…。」
ため息をつく元土はひたすら未来についていく。
よくよく考えると、俺を家に連れていくということは男を家に入れることになる。
普通は躊躇するものでは?そう思った元土である。
歩いているうちに気づいてしまった。
元土「さっきから自分の家とは正反対の方に
向かっているんですが」
未来「あら、あなた奴隷の素質があるのね」
自分でも確かにと思った。
彼女は電車通学らしく学校から1番近い駅に行き家に向かった。

未来「ただいまー」
元土「お邪魔します」
中に入ると想像以上の広さにびっくりした。
パッと見た感じこれは金持ちだ、、と確信した。
右にあるダイニングルームに招かれて紅茶とお菓子を出された。
未来「さて、お話しましょうか」
元土は何を話せばいいのか考える。
元土「えーと、大きい家ですね。この部屋とかも凄く広いです」
未来「そうね、1人で住むには十分すぎるわ」
元土「1人?両親は?」
未来「父も母も仕事が忙しくてあまり家には戻ってこないの」
元土「兄弟とかは?」
未来「いないわ、元土は?」
元土「僕も1人っ子です」
そんな会話を続けていた。彼女はピアノを長年やっていたそうで確かに通りがけに学校の体育館にあるような立派なグランドピアノを見かけた。
未来「えっと、元土の両親は?」
突然、両親の話に戻してきた。
元土「……俺には両親はいないです。父は事故、母は心臓病で亡くなりました。多分母の心臓病は遺伝だったと思います。それで今は僕も一人暮らしで、親戚から仕送りをしてもらって生活をしています」
その時彼女の顔が少しハッとした表情を浮かべた。
未来「なんだか嫌なことを聞いてしまったわね、ごめんなさい」
元土「大丈夫ですよ。もう昔のことなんで」
そしてしばらく沈黙が続いていた。
お金持ちの1人っ子、これまでの強引さにも少し納得が行った。
未来「遅くなって来たしそろそろ帰る?」
元土「あ、はい。そうします」
思っていたよりもすんなり帰してくれるそうで安心したその時。
未来「それじゃあ明日の7時半に迎えに来てね」
元土「え?」
当たり前でしょと言わんばかりにこちらを見てきた。
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登場人物紹介

千位未来(せんいみく)

容姿はモデル並みに一流、

性格もとても明るい


大井武元土(おおいむもとつち)

メガネで髪が伸びていて根暗

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