第1話

文字数 1,102文字


森の中に人知れず存在する小人の集落があった。そこには「カラス乗り」というカラスにまたがって空を飛ぶ仕事をしている元気な男子ヨッチ、「ネズミ車」という2匹のネズミが牽く乗り物の御者をしているのんびり屋な力持ちポルカ、その妹で兄を手伝う華奢ないたずらっ子アニャの3人が住んでいた。3人は集落での刺激のない暮らしを退屈に感じていた。ある日アニャが森の中に捨てられていた人間界の広告を拾ってくる。そこにはその集落から1㎞ほど離れた小さな町にアイスクリーム店ができたと書かれていた。3人はその店の商品である色とりどりのアイスを見てとてもおいしそうに感じ、その店のアイスを持ち帰り皆で食べるための冒険に出発する。

集落を出た3人は田舎町で小人伝説を追う小人研究家の木村に見つかってしまう。木村は3人を捕まえようと自動車、催眠ガス、ネズミ用の罠、虫取り網などを駆使して襲い掛かる。それに対しポルカ、アニャはネズミの引く車に乗って側溝の中や民家の軒下を走り、木村に虫を投げつけヨッチをかばい、ヨッチはカラスに乗って空を飛び、他二人に襲い掛かる木村を妨害したりひきつけたりし隙を作る。3人はチームワークで何とか逃げ切ることに成功する。

3人は何とかアイスクリーム店に到着したが、よく考えれば人間のふりをしなければ入店できないということに気付いた。そこで3人はガラクタを組み立て幼児の人形を作り、その中に入って操作することで人間のふりをし入店しようとする。しかし急ごしらえの人形では小人だとばれないようにするだけで精一杯でなかなかアイスを買うことができない。しかも幼児に親がいないことを不審に思われ警察を呼ばれそうになってしまう。その時木村が店に現れ3人のためにアイスを買い与える。

近くの林の中で3人は木村の身の上話を聞く。木村の家が貧乏だったこと。子供だった木村にとってもアイスは憧れの食べ物だったこと、小人を目撃したことを学校でバカにされ意地でも小人を捕まえようと小人研究家になったこと。木村は「小人と話せて満足した。3人を見ていて子供のころの純粋な気持ちを思い出した」と話し、土産のアイスをアイスボックスに入れ3人を車で集落の近くまで送ってくれる。その後3人はアイスを持って帰り、集落の皆で食べ笑顔で冒険を終えた。

あらすじ
森の中に住む3人の小人は人間のアイス屋にアイスを買いに行くことにする。3人は人間につかまりかけるが何とか逃げ切り遂にアイスクリーム店に到着する。3人は人間のふりをするために幼児の人形を作りアイスを買おうとするが失敗、そこに3人の頑張りを見て心動かされた先ほどの人間が現れアイスを買ってくれた。
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