第1話

文字数 349文字

時々思うんです。
駅のホームで、エレベーターの中で、自宅で。

「今、この視界から人間がつくったもの、あらゆる人工的なものを排除したら、どんな風になるのだろう」

青い空と大地、それに目の前と言うか周囲に広がる空気だけが残るのだろうか。
太古の時代、恐竜なんかがいたころみたいな感じ――それは今まで映像や本の中で見ただけの、実際にあったが自分の中では架空の世界だ――なのか。

ちっぽけな想像力しかない自分には、自然だけしかない景色を浮かべることができない。

ありのまま、人間の手が全く加わっていない自然だけの世界を見てみたいと思うが、その世界を見つめる自分がそこに存在してしまったとき、”自分”という一人の人間の目が(観測者として)その世界を見つめた瞬間に、そこは完全な自然状態ではなくなってしまうのかもしれない。
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