第1話
文字数 423文字
今日もあいつから呼び出しがかかった。
僕を覗き込むご主人様はとっても嬉しそうで、それがちょっとだけ悔しい。
少し前までのご主人様は、いつだって僕を使ってくれていた。
あまり眠れないご主人様は夜遅くまで僕に構ってくれて、僕はいろんな映像や音楽をご主人様に提供しては楽しませた。
そんな時間が僕にとってはとても嬉しかったけど、でも、同時にずっと心配でもあったんだ。
だからあいつがご主人様の前に現れた時、僕は本当は安心したんだ。
そのせいでご主人様が僕を見る時間は減ってしまったけれど、代わりに前よりもよく笑うようになったから。夜もよく眠れるようになったから。
──寂しいし、悔しいけれど、だからあとは君に託すよ。
玄関から呼び鈴が鳴り、予告通りあいつが現れる。
ご主人様は嬉しそうにあいつを玄関で出迎えて、……そしてこっそり僕を操作した。
マナーモードになった僕はもうふたりを邪魔することはない。
だからあとはあいつに任せて、スマホの僕は静かに主人の幸せを祈っていよう。
僕を覗き込むご主人様はとっても嬉しそうで、それがちょっとだけ悔しい。
少し前までのご主人様は、いつだって僕を使ってくれていた。
あまり眠れないご主人様は夜遅くまで僕に構ってくれて、僕はいろんな映像や音楽をご主人様に提供しては楽しませた。
そんな時間が僕にとってはとても嬉しかったけど、でも、同時にずっと心配でもあったんだ。
だからあいつがご主人様の前に現れた時、僕は本当は安心したんだ。
そのせいでご主人様が僕を見る時間は減ってしまったけれど、代わりに前よりもよく笑うようになったから。夜もよく眠れるようになったから。
──寂しいし、悔しいけれど、だからあとは君に託すよ。
玄関から呼び鈴が鳴り、予告通りあいつが現れる。
ご主人様は嬉しそうにあいつを玄関で出迎えて、……そしてこっそり僕を操作した。
マナーモードになった僕はもうふたりを邪魔することはない。
だからあとはあいつに任せて、スマホの僕は静かに主人の幸せを祈っていよう。