第1話

文字数 504文字

聞いてくれる?
俺ってさあ、けっこう気の毒だと思うのよ。
一生懸命仕事してんのに、いざ用をなす時ぁすぐ取っ払われて邪魔者扱い、主役と違ってただの脇役ですから、本気でお手入れもしてもらえない。
大掃除でだって、はりきって天井とか洗い始めるわりには、俺のことなんかはなから眼中になさそうで、そのまま終わっちゃったり。そもそも、俺を洗うもんだと思ってないんでない?もしかして。
でも俺の果たす役割も大きいのよ?俺がいないとベストコンディションであなたたち浸れないんだからさぁ。その楽園、維持すんのにけっこう苦労してんのよ?表では涼しい顔してますが、裏では汗だくだくなのよ、まあいい汗かいてますって言えば気持ちいいけど。
っていうか、いい汗かくならやっぱ丁重にお手入れしてもらったほうがいいよね!よくよく考えてごらんよ、いい汗じゃなかったらけっこうエグいことになるよ⁉︎
まあそれはおいおい想像してもらうとしてさ、俺のお気に入りのギャグがあってさ、押すなよ、押すなよ!ってやつなんだけどさ、やってみていい?
いつも通りのポジションで、押すなよ、押すなよ!って。まあでも、実際に落ちたら仕事にならないんだけどさ。しゅん。お風呂の蓋。
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