一話完結

文字数 685文字

「やれ、今日も終わった。」

高校生のユウヤは傘をさして学校から帰っていた。

「メチャクチャ大雨だな、こりゃあ」

と思いながら帰ると商店街が見えた。

「よし、もうちょっと・・・はっ!もしかして」

商店街を逸れた道を確認してみた。

「やっぱりだ」

彼が見えたのは大雨で溜まった池。それは沼地だ。

「沼地獄・・・現れたか」

沼地獄とはこの町で現れるもので大雨で起きた池は沼地となりてやがて地獄のようになるという風習があり、沼地獄は一度入ったら後戻りできない池として有名。かつて通った人を幾度となく拷問をした沼地で本当に行きたくないもない。

「でも、ここを通るが・・・俺には」

ここを通るユウヤ、だがしかし秘策はある。

「寄り道DA☆」

寄り道には「工事中」という看板が。

「噓だろ・・・噓だ・・・」

やばい。このままではあそこを通って帰らなければいけない。何か考えろ、ええとここからいけるとしてもやっぱりだ。これから塾だ。まずい、俺の青春・・・いやそんなこと考えている場合ではない。くそぉ!

「や・・やるしかない」

そう決心した。

「俺は恐れないぞ」

大雨で雨の音が鳴る中、彼は傘を持ち沼地獄まで来た。

「ジャ・・・ジャンプだ」

なんとか行けそうだ、ジャンプで。

「いっせーので」

ヒュー!!!!ドド・・・
着地成功、沼地獄を越えた。

「ふぅ、これで、」

恐怖は襲った。

「うわっ!」

ザブーン。しゃがんだままで平行に出来ないまま沼地獄へ後ろからコケた。

「あぁ・・・もう」

でも地獄というものは感じない。

「噓だったのか、良かった」
そしてずぶ濡れになって家へ帰り塾へ向かっていった。

風習といっても大丈夫で安心したユウヤであった。

終わり。

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