第2話 アザラシさんの小説家部屋
文字数 249文字
きれいなお花を眺めつつ
三頭のアザラシさんが
一心不乱に
タイプライターに向かって
小説を書いている
大事なのは言論の自由
free speech, free speech
「あなたたちの知った情報を
私たちに教えてください」
政府機関の役人がときどき来る
「私たちは人々の情報を売ることは
いたしません」
中央のねずみ色の殻を持った
アザラシさんは言う
スウェーデンから泳いできた
奥の小さなアザラシさんもうなずく
三頭は自分たちの作品が
純粋なイマジネーションから
湧き出ると言う
人民の情報なんてない
あるのはただ創作への情熱のみ!