第1話

文字数 897文字

起)舞台は、創立100周年を迎える公立の橘中学校。大規模開発でタワマンが立ちまくるこの地域は元下町とはいえ、今や中学受験で8割の生徒が私立中に入る某高級住宅街。荒れてもいないがパッとしない中学に通う、陰キャラの中学2年生神木智(かみきさとし)が主人公。神木は小学生までは、陽キャのイケメンだったが、親の離婚により陰キャになり、中二になった今、中二病をかなりこじらせている。

承)帰宅部の神木だが、学校の方針で週1だけクラブに入らなくてはいけなくなる。運動も音楽も嫌な神木がなんとなく選んだのが、「バイト部」。これはボランティアバイトを通じて中学生活を意義あるものにするというクラブ。そこには神木以外にも、アスペで天才肌の沢渡豪、繊細な小鳥ゆかり、自閉症気味の室田浩二など、個性的なキャラが集結。「バイト部」初日に現れたのが臨時教諭の三鷹先生。タブレットを渡され、学校の専用サイトに入ると「バイトクラブ・ルシファー」がダウンロードされていて、そこをクリックすると案内人のルシファーが現れて、どんなバイトをしたいか?聞いてくる。神木がクリックしたのは、運送業だった。

転)記憶が一瞬でなくなり、気づくと神木はバイト生として倉庫の中で働いていた。バーチャルなのか? 周囲は神木を中学生と思っていないようだし、母も自分だと全く気付かない。するとドカンと音がして事故が発生。実はそこは神木の母が働いている倉庫で、神木の母がフォークリフトにひかれてしまい大騒動に。中二病をこじらせていた神木は、このところ母とまるで口をきいていなかったが、このフォークリフトの事故から、母が倉庫でいじめにあっていたことがわかる。
結)母をイジメているのは誰なのか? アルバイトして働きつつコッソリ探る神木。真犯人は、倉庫のセンター長青木だった。青木は母に好意を寄せていたが、母が全く相手にしなかったため逆恨みして、いじめや事故を自分が糸を引いているとわからないようにして仕掛けたのだ。無事に母を助けた神木は、母の苦労を知って和解し、「バイト部」でもノルマ達成1号として部長に選ばれる。そして他の部員たちのバイト活動に参入していく。
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