第1話

文字数 1,598文字

「ともちゃん、きょうのおやつはアップルパイよ」
おかあさんが、ともちゃんをよびました。
「わーい!」
 ともちゃんはおかあさんのつくるアップルパイがだいすきです。
「ねぇおかあさん、アップルパイはどうやってつくるの?」
ともちゃんがそうきくと、おかあさんはニコッとわらっていいました。
「アップルパイはりんごでつくるのよ」
それをきいてともちゃんはうれしくなりました。ともちゃんのすきなアップルパイは、ともちゃんがすきなりんごからできていたからです。
 あるあさ、ともちゃんはまどからいえのまえのひろばに、おおきなりんごがひとつおちているのをみつけました。
 ともちゃんとおなじくらいおおきなりんごです。
やおやさんでもスーパーでもこんなにおおきなりんごはうっていません。
「こんなにおっきなりんご、はじめてみた!」
ともちゃんはびっくりしていいました。
ともちゃんのこえがきこえたのでしょう。
なかよしのメグちゃんとサリーちゃんもひろばにやってきました。
「おおきなりんごだ!おいしそうだね!」
 メグちゃんとサリーちゃんもあかくてつやつやのりんごをみてうれしそう。ふたりはいまにもこのおおきなりんごをもってかえってしまいそうです。
 たいへん!りんごがとられちゃう!
ともちゃんはあわてていいました。
「このりんごはわたしがはじめにみつけたんだよ!わたしのりんごだよ!」
メグちゃんもサリーちゃんもそれをきいてしょんぼりしています。
 ともちゃんはりんごもすきだけれどメグちゃんとサリーちゃんもだいすき。どうしたらいいのかな、いっしょうけんめいかんがえました。
「そうだ!このりんごでアップルパイをみんなでつくってみんなでたべようよ!」
ともちゃんがふたりにそういうと、
「おもしろそう!」
「わたしもアップルパイだいすき!」
 メグちゃんもサリーちゃんもめをキラキラさせてそういいました。
 けれど、さんにんはアップルパイのつくりかたがわかりませんでした。
「おかあさんにきいてみよう!」
 ともちゃんはおかあさんをよんできました。
「おおきなりんごね!きっとたくさんのアップルパイがつくれるわ。そうだ、りんごジャムもいっしょにつくりましょう」
おかあさんはいいました。
 まずはりんごのかわむきです。
おおきなりんごのかわむきは、とってもたいへん。メグちゃんもサリーちゃんもおかあさんをよんできてみんなでかわをむきました。さんにんはりんごのかわをもつおてつだいをします。
つぎは、りんごをおなべにいれてコトコトにこみます。
そのあいだにりんごをいれるパイのきじをみんなでこねてゆくのです。
「たのしいね」
ともちゃんがいいました。
「たのしいね」
メグちゃんも、サリーちゃんもいいました。
りんごジャムのおなべもみんなでかきまぜます。
 いえのなかが、アップルパイのにおいと、りんごジャムのあまいにおいでいっぱいになりました。ああ、いいにおい!
 そしてついにかんせいです!
「とってもおいしそう!」
メグちゃんがいいました。
「はやくたべたいね!」
サリーちゃんもいいました。
「そうだ!みんなでそとでたべようよ!」
ともちゃんがそういうと、さんにんはできたばかりのアップルパイとジャムをもってひろばにやってきました。
 さぁ、いよいよみんなでつくったアップルパイをたべるときです。
そのようすをみていたほかのこたちがやってきました。
「それなぁに?」
「わたしたち、アップルパイをつくったの」
ともちゃんがいいました。
「いいな。わたしもたべてみたい」
みんながいいました。
ともちゃん、メグちゃん、サリーちゃんはかおをみあわせいっしょに、
「いいよ!」
といいました。
 アップルパイも、りんごジャムもたくさんあるからみんなでわけっこです。
「わけっこしてみんなでたべるのおいしいね!」
みんなえがおでおいしくアップルパイをたべて、まえよりもなかよくなりました。
ともちゃんは、とってもうれしくなりました。
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