無糸分裂:精液アレルギー
文字数 4,965文字
症状を感じたのは
初エッチをしたときだ
放課後に
同じクラスのイジメっ子から呼び出された日
いつもと様子が違っていた
イジられるのは決まって人目のある所だったから
人けのない場所へ連れてかれるのは異様に感じた
とうとうテレビのニュースでやってたみたいに
殺されるんじゃないかと思った
考えすぎ?
そうだね
当時は自殺と他殺の違いがわからなくて
無駄に怖かったよ
それだけに
トイレでの出来事はあっけなくて拍子抜け
ぜーんぜん大したことなかった
ほんとに
イジメっ子は大げさに予告したけどさ
おどろいた
いっちょまえに気づかいしちゃってさ
そんな優しいことも言えんのかって
でも無用な心配だったね
痛いわけない
だってタッくんの__
小林のも似たようなモノだったけどさ
ってか
小三なんて
みんなそんなモノだよね?
タッくんの後にイッちゃんとハヤトにもいれられたけど
多少の違いはあっても痛みはなかった
意味もわからないまま終わってた
ごめん全然約束守れてない
現在進行形で5人+小説投稿URLの閲覧者数くらい漏えいしてる
後ろが変だなって感じたのは
家に帰る途中だった
公園のトイレに駆け込んで
蚊に刺されながら何分も粘ったけど何も出ない
なにたべたっけ?
『これ食べたよ日誌』の中に犯人いないか探しながら帰った
これまでお尻がおかしくなるのは
食べ物が原因だったから
お尻に入れたくらいで
おかしくなるなんて思わなかったよ
そんなこんなで
次の日__
ポークピッツを目の前にして
やっとこさ小林お尻に挿れられたモノがなんなのか理解できたよ
二度目とあって考える余裕ができただけに
ますます意味わからんちぃ
トイレに流さなきゃいけない汚いものが出る場所同士をくっ付けたそれを
舐めろ?
バカなの?
フェラチオの第一印象は
上履きにンコ入れられたときより百倍強烈だった
虐めは楽しい
する側はそうであると思っていた
醜態を晒した小林を見世物にして
指差してお腹かかえて
いつも笑顔と笑い声で盛り上げるのに
この時ばかりは小林を隠して
動かなくて
やけに真剣で
静かで
息だけが妙に激しくて
でもどこか痛そうで
苦しそうで
ちっとも楽しそうじゃない
解らなくても
必死に言う通りにした
断ったらシッコかけられそうで
それだけに拍子抜けしたよ
変な味がしたのが
ハヤトのだけだったから
もらされたのが少しで済んで
ホッとした
それもつかの間
じくじくと
喉の奥が腫れてきた
アレルギー手帳に『シッコ』を追記した
後に『セーシ』と書きかえることになるのだけど
それはもう少し先の話し
そして数日後__
繰り返すうち
お尻を腫らせていたものが食べ物だけでない気がしてきた
症状の範囲がより外側であることも
ハヤトが口に出した日は
後ろには入れない
タッくんとイッちゃんのは入っても腫れることはない
理由はわからずとも
原因がハヤトにある気がかりはあった
それが確信へと変わったのは
個別に呼び出された時だ
さすがについさっきまで穴に入っていたモノの臭いにはベソかいて応えるしかなかった
ヌルヌル使いのタッくんが風邪で休み
ツバだけで後ろに入れるには痛かったようで
小林お口に戻ってきたのだが
涙とハヤトの良心から再び後ろに引き返したという成り行き
ハヤトの手とアレがお尻に当てられる音が続く
糞尿双方を擦り付けられてしまったのかと
なんとも汚れた気分になった
お尻を拭く手に
糸を引くものがついたけど
その時は気にも止めなかった
見張りを果たし
個室に入ろうとしたイッちゃんに待ったがかかる
十年経った今
当時を振り返ると
ある話を思い出す
嘘か誠か
マンコに肛門を押し付けられ
中へ脱糞された女の話
洗っても洗っても臭いが落ちず
他の男と絡む気力が削がれたという
もしかしたら
ハヤトの究極進化系がそれじゃね?
独り残され尻を拭く
腫れた尻肌がパンツに擦れて痛かった
糸のかかった右手には
線を引くようなミミズ腫れができていた
翌日の朝
声をかけてきた
タッくんもハヤトも
まだ学校には来ていない
いつものとこ
見張りのいない登校時間
無言でパンツを下ろすイッちゃんに合わせて下を脱ぐ
口の高さをイッくんのに合わせた
そうではないと
イッちゃんは
より深く体を畳む
イッちゃんの目の前に
恥部が晒される
荒くなった口呼吸がくすぐったい
つままれる
やがて握られたりめくられたりで…
誰かに固くされたのは初めてだった
イッちゃんは直ぐに手を止めてくれた
動いたり止まったりを繰り返し
そして__
やっとわかったよ
口に入れたがるのか
それからハヤトが
漏らしちゃったのも
急に我慢できなくなるシッコじゃ
しゃんにゃい
しゃんにゃい
ってね
飲むか
それとも__
慣れってフシギ
前をくわえられても汚した感なかったのに
穴が汚いだなんて
舌を入れる程じゃなしにしても
イッちゃんが
一っちゃん変態ばい
と思うには充分だった
あ
当時こんシャレ言うたらウケたかねー
突き出される菊華
さっきとは打って変わって
立ち位置が入れ替わったし
それに__
今ならわかる
便座が食い込む腰が痛かろう
穴にはさっき口へ出した粘液が塗ってあり
挿入への用意があった
小林が転校してくる前は
イッちゃんの役割だったのかもしれない
出した直後に挿れられると考えちゃうのは未精通らしいけど
小林の硬さには余力があった
口の中のような期待感もあった
けど__
なんか匂った
精液じたいシッコだと思ってたから__
イッちゃんには
眉間に寄せたシワを見られたと思う
挿入しない代わりに
詫びのつもりで咥えにいったけど
いつも以上に反応が悪い
勃たせる間もなくチャイムが鳴る
肩を押されて中断した
この時感じたモヤモヤの正体が解らぬまま教室へ戻る
わからなかった
黙ってればいいものを__
ホームルーム直前
このとき耳に入れちゃって理解できた人いたのかな?
ハヤトとイッちゃんはどっか行っていた
気にはなったけど
それどころじゃなかった
休み時間の度
トイレで経過観察
最初パンツ下ろしたとき
先っぽからニョーンと糸伸びてビックリしたっけ
精液が触れた皮膚は紅く腫れ
変形した筒からの放尿は狙いが定まらない
ネバっこいのは皮膚から染み出してると思って尻紙で巻いた
そんな事で小林が悩んでいた間
ハヤトとイッちゃんがしていた事に感づいたのは
触っちゃいけないものリストに
ねばシッコと書いた放課後の事
顔を合わせることなく帰っていた
ハヤトも初めてだった
ポロリと
パンツを下ろした拍子に尻紙が落ちたハヤトには
絞り出しを覚える前には
そこに巻かれた尻紙は身近な光景だったのかもしれないまさかハヤトにまでされるのは思わなったけど
それ以上に尻紙が剥りついたままのを舐められているのが「?」だった
舌だけで剥がしてくれたのに
イッちゃんの方が良かちょ
なんて思ってゴメン
ハヤトの口は
尻紙を取るだけに終始して
それ以上攻めてはこなかった
背後から腕が回された
抱かれる事の暖かさ
顔に血が溜まって膨れてしまったような気がした
ハヤトの息に揺らされる後ろ髪がくすぐったくても
それさえも心地よくなってしまうような
おかしな感覚に身動き取れなかった
そのままジッとしていると
首筋に熱いものが触れる
ッパ
蟲刺されでないと知るのにもう数日を要した
それも他人から教わるという形で
その時に知った所有の印が
小林自身を熱くさせたものだと
当時は知る由もなかったが
ただただ感じることだけは鋭敏だった
これまでにない鼓動の高鳴りが
自分だけ固くしている事に寂しさを感じさせる更に脱がされるというのは
ハヤトにとっても想定外だったかもしれない
顔の様子を伺う余裕が無かったのが実に悔やまれる
ハヤトとイッちゃんが何をしてたか気になって…でも聞けなくて……
あからさまな汚チンポを咥えちゃうだなんて
イッちゃんの事を考えていた
いつまで経ってもシッコが出ないのは
イッちゃんが先に取ってしまったからではないかと
あの時イッちゃんのを吸い取っていれば
こんな事にはならなかったのではないかと
肩に乗せられた優しい圧が
イッちゃんの手と重なって
最後までいけなかったという敗北感に包まれた
深くは聞かれなかった
気持ちいシッコを連想するには至らなかったけど
それで良かったと思う
初めてがイツキだと知れたら
仲が険悪になっていたかもしれない
嘘のつき方と
見抜き方を学んだ気がする
それから__
翌日の朝
早めに登校したけど
上がいた
ランドセルを持って移動した
蜂蜜が仕込まれていた
イッちゃんはイッちゃんで
昨日拒絶された事を気にしていたのかも
小林に渡した
バカでゴメン
蜜を塗って
入れて
ゆっくり動く
程なくして__
止める事ができなかった
快楽
痛み
それらとも違う不思議な何かによって突き動かされる
イッちゃんが小林の身体を引き寄せ抱きついてきた
小林も何かを思い出したように抱き返した
腕に
押し込める半身に力が入る
これをされる方の気持は
ウケにとっては何とも心地良いものなんだけど
イッちゃんはそれが欲しくてやったのかな?
イッちゃんのヘソと股の間には
五百円玉大の池ができて
右腰へ少し垂れている
小林が引き抜いた時に伸びた液体と
同じ白
ランドセルを背負っても
イッちゃんは白い池に指をなぞって動かなかった
同時に教室へ入ったら怪しまれるので
独りで戻った
近寄り難い
何事もなかったように席へ着く
されど二日
もうあの頃には
戻れない