ユウのおとどけもの
文字数 1,738文字
あるちいさなまちに、ユウというげんきなおんなのこがくらしていました。きょうもあそびにでかけます。
「こんにちは!ベン」
「こんにちは、ユウちゃん」
おとなりにすんでいる、まっしろでおおきないぬのベンです。ユウは、どうぶつたちとおはなしができます。でも、これはおとなたちにはひみつです。だって、しんじてもらえるはずがありません。
「ユウちゃん!ユウちゃん!」
ベンとおはなししていると、そらからこえがきこえました。スズメのぴいすけです。
「ユウちゃんにおねがいごとだよ!うまのブラウンからだよ!」
ぴいすけはユウのあたまのうえをとびまわりながらおしえてくれます。どうぶつたちとおはなしができるユウは、ときどきおねがいごとをきいているのです。
「わかった、いってみるね。じゃあベン、またね」
「またね、がんばってね」
ユウはベンにてをふって、げんきにあるきだしました。おねがいごとにはいつもきあいがはいります。
「こんにちは、ブラウン。おねがいごとをききにきたよ!」
こうえんのとなりのブラウンのおうちにつきました。
「ユウちゃんこんにちは。ぼくのおねがいごとをきいてくれる?」
「もちろん!」
「じつはね、さくらおばあちゃんに、このおはなをとどけてほしいんだ」
ブラウンのあしもとには、きれいなピンクいろのコスモスがおかれています。
「わあ、きれい!」
「おばあちゃんにわたしたいんだけど、ひっこししてしまって、あえないんだ」
ブラウンはすこしさびしそうです。
「わかった!わたしにまかせて!」
ユウはブラウンからじゅうしょのメモとおはなをあずかりました。
「あれ、このじゅうしょって……」
ブラウンからあずかったメモには、となりまちのじゅうしょがかいてありました。
「どうしよう、ひとりじゃいけない……」
ユウがひとりでであるいていいのは、このまちのなか。そう、おかあさんとやくそくしています。はりきってあるきだしたのに、ユウはなきそうになってしまいました。
「あれ、ユウちゃんどうしたの?」
さっきおねがいをおしえてくれたぴいすけとであいました。
「あのね、となりまちにひとりでいけなくて、こまっているの」
「なるほど……ぼくにはおもたそうでかわりにはなれないけど……そうだ!のらねこのミコさんにたのんでみたら?」
ぴいすけは、このまちでいちばんのながいきねこ、ミコのなまえをいいました。
「ミコさんかあ……」
ミコはうつくしくけだかいねこで、ユウにはちょっぴりいじわるです。でも、ほかにたのめるひともいなさそうですし、そうはいっていられません。
「ありがとう。たのみにいってみるよ!」
ユウはミコをさがしにあるきだしました。
ミコはユウがいつもあそぶこうえんにいました。
「ミコさん、おねがいがあります」
「なんだい、あたしにおねがいだなんて、いいどきょうじゃないか」
ほら、やっぱりすこしいじわるです。
「ブラウンにたのまれたことを、せいこうさせたいの!でもどうしてもわたしにはできなくて……」
ユウはいっしょうけんめい、せつめいします。
「なんだ、そういうことかい。しかたないねえ」
ミコはユウからおはなをあずかりました。
「ここでまってな」
そういいのこすと、ミコははしりだしました。しんぞうがばくばくしていたユウでしたが、すこしほっとしました。
しばらくまつと、ミコはかえってきました。
「さくらおばあちゃん、ブラウンからのおはなだと、とてもよろこんでいたよ」
「ミコさん、ほんとうにありがとう!」
ユウはひざにあたまがつくくらい、ふかくおじぎをしました。
「ブラウンのところにもはやくいってやんな」
「うん!」
ユウはもういちどおじぎをして、はしりだしました。
「さくらおばあちゃんはどうだった?」
ブラウンはにこにこしてでむかえてくれました。
「ごめんなさい!じつはミコさんにおねがいしたの。さくらおばあちゃん、ブラウンからのおはな、よろこんでたっていってたよ」
ユウはすこしうつむきながらつたえました。
「そうだったんだね、ありがとう、ユウちゃん。おばあちゃんにおはながとどけられてぼくはうれしいよ」
ブラウンはそういってにっこりわらいました。ユウもつられてえがおになりました。
きょうもユウのおとどけものは、みんなのしあわせも、いっしょにはこんでいます。
「こんにちは!ベン」
「こんにちは、ユウちゃん」
おとなりにすんでいる、まっしろでおおきないぬのベンです。ユウは、どうぶつたちとおはなしができます。でも、これはおとなたちにはひみつです。だって、しんじてもらえるはずがありません。
「ユウちゃん!ユウちゃん!」
ベンとおはなししていると、そらからこえがきこえました。スズメのぴいすけです。
「ユウちゃんにおねがいごとだよ!うまのブラウンからだよ!」
ぴいすけはユウのあたまのうえをとびまわりながらおしえてくれます。どうぶつたちとおはなしができるユウは、ときどきおねがいごとをきいているのです。
「わかった、いってみるね。じゃあベン、またね」
「またね、がんばってね」
ユウはベンにてをふって、げんきにあるきだしました。おねがいごとにはいつもきあいがはいります。
「こんにちは、ブラウン。おねがいごとをききにきたよ!」
こうえんのとなりのブラウンのおうちにつきました。
「ユウちゃんこんにちは。ぼくのおねがいごとをきいてくれる?」
「もちろん!」
「じつはね、さくらおばあちゃんに、このおはなをとどけてほしいんだ」
ブラウンのあしもとには、きれいなピンクいろのコスモスがおかれています。
「わあ、きれい!」
「おばあちゃんにわたしたいんだけど、ひっこししてしまって、あえないんだ」
ブラウンはすこしさびしそうです。
「わかった!わたしにまかせて!」
ユウはブラウンからじゅうしょのメモとおはなをあずかりました。
「あれ、このじゅうしょって……」
ブラウンからあずかったメモには、となりまちのじゅうしょがかいてありました。
「どうしよう、ひとりじゃいけない……」
ユウがひとりでであるいていいのは、このまちのなか。そう、おかあさんとやくそくしています。はりきってあるきだしたのに、ユウはなきそうになってしまいました。
「あれ、ユウちゃんどうしたの?」
さっきおねがいをおしえてくれたぴいすけとであいました。
「あのね、となりまちにひとりでいけなくて、こまっているの」
「なるほど……ぼくにはおもたそうでかわりにはなれないけど……そうだ!のらねこのミコさんにたのんでみたら?」
ぴいすけは、このまちでいちばんのながいきねこ、ミコのなまえをいいました。
「ミコさんかあ……」
ミコはうつくしくけだかいねこで、ユウにはちょっぴりいじわるです。でも、ほかにたのめるひともいなさそうですし、そうはいっていられません。
「ありがとう。たのみにいってみるよ!」
ユウはミコをさがしにあるきだしました。
ミコはユウがいつもあそぶこうえんにいました。
「ミコさん、おねがいがあります」
「なんだい、あたしにおねがいだなんて、いいどきょうじゃないか」
ほら、やっぱりすこしいじわるです。
「ブラウンにたのまれたことを、せいこうさせたいの!でもどうしてもわたしにはできなくて……」
ユウはいっしょうけんめい、せつめいします。
「なんだ、そういうことかい。しかたないねえ」
ミコはユウからおはなをあずかりました。
「ここでまってな」
そういいのこすと、ミコははしりだしました。しんぞうがばくばくしていたユウでしたが、すこしほっとしました。
しばらくまつと、ミコはかえってきました。
「さくらおばあちゃん、ブラウンからのおはなだと、とてもよろこんでいたよ」
「ミコさん、ほんとうにありがとう!」
ユウはひざにあたまがつくくらい、ふかくおじぎをしました。
「ブラウンのところにもはやくいってやんな」
「うん!」
ユウはもういちどおじぎをして、はしりだしました。
「さくらおばあちゃんはどうだった?」
ブラウンはにこにこしてでむかえてくれました。
「ごめんなさい!じつはミコさんにおねがいしたの。さくらおばあちゃん、ブラウンからのおはな、よろこんでたっていってたよ」
ユウはすこしうつむきながらつたえました。
「そうだったんだね、ありがとう、ユウちゃん。おばあちゃんにおはながとどけられてぼくはうれしいよ」
ブラウンはそういってにっこりわらいました。ユウもつられてえがおになりました。
きょうもユウのおとどけものは、みんなのしあわせも、いっしょにはこんでいます。