第1話

文字数 874文字

伊勢神宮へ行った時の話

人生に迷子というほどではないが、そこそこ迷ってる時。ここは一丁、平将門の首塚とか行って弱い自分に勝てる方法を得ようか、と思って計画を立てていた。
だのに何故だか今伊勢神宮に行かないといけない、と思い立ち弾丸遠足へ繰り出した。
伊勢神宮へは近鉄特急 賢島行きビスタカーで。
五十鈴川駅で下車し、バスに乗って外宮へ。
実は外宮と内宮を反対に勘違いしていて、外宮行きのバスに乗った時位置情報を見ながら「何故反対に行くんだ!?」と少し焦った。後から調べると伊勢参りでは外宮から参るのが作法とあって、結果間違えて正解の順序となった。

連日雨続きの中その日は快晴。ど快晴。さらに行楽シーズンを外したというのに人が想像以上に多く、もっと閑散としているかと思っていた。流石伊勢神宮。
伊勢神宮内は木々が多く空気が澄んでいた。内宮内の五十鈴川の水は透き通っていて多種の魚を観察することが出来るほど。

外宮の参道にも店はたくさんあったが内宮は比ではない。内宮参道には外宮より多くの店が立ち並びその上「おかげ横丁」という商業区画が整備されている。
行楽には食事が付き物だが、想像以上の人の多さと気温に食べる気を失ってしまい伊勢うどんや松坂牛、赤福は食べ損なった。
地酒の甘酒と伊勢の塩サイダーは熱した体にはちょうど良かった。塩サイダーは後口に塩味があって初めての味だった。
お土産にはわらび餅と酒麹饅頭にした。

この文では参拝というより観光になっているがちゃんと詣でているから安心してほしい。まったく、外宮と内宮に分かれているのも調べてなかったし外宮と内宮が3キロほど離れているのも知らなかったし、宮中があんなに広いとも思っていなかった。
ついでに伊勢神宮の近くにある猿田彦神社にもお参りした。「行く道へ導く」とかなんとかで、人生に迷子になりかけの自分にはちょうど良い。縋れるものがもう神しかいないのだ。

そんなこんなで途中で体力尽きて早々に切り上げて帰路に着いたわけだが、不完全燃焼も良いところだ。名物も食べてないし。
また必ず行く。その時は人生に迷ってなければいいが……。
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