プロローグ
文字数 820文字
聖アルベーリ学園。
浦芽市(うらめし)の里山近くに古くから学び舎を構える、由緒正しい全寮制の学園である。
外界から隔絶された学園に通う生徒たちは規律を尊び、道徳を重んじ、品行方正を絵に描いたような人柄で、日々勉学に励んでいる。
……と、されているが、それはあくまで根も葉もない噂。
現実は『まるでフィクションのような如何にも浮世離れした全寮制の学園生活』に憧れを持ったユニークな生徒たちが集まった結果、まるで闇鍋のような学校になっていた。
そんな聖アルベーリ学園は部活もまるで少女漫画に出てくるようなものが多く、校内新聞『聖アルベーリ通信』を発行する新聞部もその一つなのだが……
「だからこんなんじゃあ読者の期待に応えられないって言ってるでしょ!」
ある日の新聞部の部室は、どちらかと言うと社会派漫画に出てくる新聞社のように、喧々囂々の有様だった。
「『ネコイタチ』様の写真はないの!? 予告カードだけじゃ弱いわよ!」
「仕方ないじゃないですか! 『ネコイタチ』様がお出でになるのは夜ですよ! 最近は寮母さんも目を光らせてますし、抜け出せませんって!」
「発明部に頼んでた監視カメラに『ネコイタチ』様のお姿は映ってなかったの!?」
「映像を確認する前にカメラが爆発したって! だからあそこはあてにならないって言ったでしょ!」
先ほどから部員たちは、『ネコイタチ』という人物の話題で持ちきりだった。写真がないため、紙面をどう飾るかの意見がまとまらないようだったが……
「皆ー! 今度は二年パイン組に、『ネコイタチ』様の予告カードが届いたってー!」
「! 行くわよ!!」
「「「「はい!!」」」」
駆け込んできた部員の一人の言葉に、それまで言い争っていた全員が一斉に部室を飛び出した。
『ネコイタチ』とは何者なのか?
何が彼女たちをここまで熱狂させるのか?
それを知るためには、少々時を遡り、語らなければならない!
浦芽市(うらめし)の里山近くに古くから学び舎を構える、由緒正しい全寮制の学園である。
外界から隔絶された学園に通う生徒たちは規律を尊び、道徳を重んじ、品行方正を絵に描いたような人柄で、日々勉学に励んでいる。
……と、されているが、それはあくまで根も葉もない噂。
現実は『まるでフィクションのような如何にも浮世離れした全寮制の学園生活』に憧れを持ったユニークな生徒たちが集まった結果、まるで闇鍋のような学校になっていた。
そんな聖アルベーリ学園は部活もまるで少女漫画に出てくるようなものが多く、校内新聞『聖アルベーリ通信』を発行する新聞部もその一つなのだが……
「だからこんなんじゃあ読者の期待に応えられないって言ってるでしょ!」
ある日の新聞部の部室は、どちらかと言うと社会派漫画に出てくる新聞社のように、喧々囂々の有様だった。
「『ネコイタチ』様の写真はないの!? 予告カードだけじゃ弱いわよ!」
「仕方ないじゃないですか! 『ネコイタチ』様がお出でになるのは夜ですよ! 最近は寮母さんも目を光らせてますし、抜け出せませんって!」
「発明部に頼んでた監視カメラに『ネコイタチ』様のお姿は映ってなかったの!?」
「映像を確認する前にカメラが爆発したって! だからあそこはあてにならないって言ったでしょ!」
先ほどから部員たちは、『ネコイタチ』という人物の話題で持ちきりだった。写真がないため、紙面をどう飾るかの意見がまとまらないようだったが……
「皆ー! 今度は二年パイン組に、『ネコイタチ』様の予告カードが届いたってー!」
「! 行くわよ!!」
「「「「はい!!」」」」
駆け込んできた部員の一人の言葉に、それまで言い争っていた全員が一斉に部室を飛び出した。
『ネコイタチ』とは何者なのか?
何が彼女たちをここまで熱狂させるのか?
それを知るためには、少々時を遡り、語らなければならない!