第3話
文字数 1,548文字
ハナの足のけがも治って、おじいちゃん先生も別のところに移動していった。それからアタシ達はテントを張る場所を見つけてディナーで食べる食材を探すことにした。
「この山って食べれるものあるのかなぁ」
「え、いっぱいあるじゃん。見て見て!ほらこのカエルなんておいしそうだよ」
アタシは赤と黒の縞模様のカエルの足をつかんでハナに見せた。アタシにとってカエルは向こうにいた時のごちそうだったからついテンションが上がってしまった。
「ひゃっ……気持ち悪い……モモちゃん、これほんとに食べれるの?」
ハナはカエルを見て青ざめてた。こんなごちそうを目の前にしてこんな反応するなんて、ほんとに世間知らずなんだろうなぁ。
「まぁ、騙されたと思って食べてみなよ、美味しいから大丈夫だよ」
「う、うん……」
ハナはそれから引きつった顔で一緒に食材を探してくれた。ハナは意外と木の実には詳しくってこの日のディナーはとっても豪華なものになった。帰ったら寮のおばちゃんに自慢してやろうっと。時々他の魔法使いの生徒たちとすれ違ったけど、アタシが捕まえたクモやヘビ、カエルを見てみんな逃げていった。皆、この美味しさを知らないなんてもったいないよね。ハナはごちそうを食べる時少しためらっていたけど一口食べてみると「美味しい」って言って完食していた。全部食べてくれたら、たくさん捕まえた甲斐があるよね。
「お腹いっぱいになったから眠くなってきたね」
「うん、そうだね。寝よっか」
アタシ達はテントの中に戻って休むことにした。眠くなるまで二人でたくさん故郷の話をした。
それから時間が経って夜も深くなってきてから、アタシは眠くなってうとうとしていたところ、なんだか外の様子がおかしい気がした。盗賊団にいた頃の勘を働かせて、草むらが少しざわついている気がした。おじいちゃん先生が低級悪魔がこの裏山に出没するっていうことを言っていたのを思い出した。アタシはそっと外の様子を窺った。
そこには狗型の低級悪魔がうじゃうじゃいた。それでもハナはその気配に気づかないでぐっすり眠っていた。
「ねぇ、ハナ起きて。外ヤバいって」
「ふぇ……?モモちゃん、どしたの……?って何これ!悪魔がいっぱいいるじゃん」
ハナは寝起きの重たい瞼をこすりながらアタシ達がおかれている現状にびっくりしていた。アタシはすかさず、潜伏魔法を使いながら短剣で低級悪魔に立ち向かった。久しぶりに戦闘モードに入ったから体が少し鈍っているのを肌で感じた。それでも低級悪魔だったから何とか怪我をせずに全部やっつけることができた。
「モモちゃん、後ろになんか居る!気を付けて!」
アタシはハナの叫び声でとっさに後ろに振り返った。そこには大きな狗型の悪魔がいた。
「ちっ……さっきの親玉か?低級にしては何かおっきいし、もしかして中級……」
「モモちゃん危ないっ」
ハナが叫んだ。その瞬間あの悪魔がアタシに向かって攻撃してきた。それと同時に緊張で固まっていたアタシの体が勝手に動いた。どうやらハナがアタシを魔法で操作したみたい。危機一髪助かったみたい。アタシはそれから体勢を取り直して悪魔から距離をとった。
低級悪魔しか出ないっておじいちゃん先生は言ってなかったじゃん。何で中級悪魔がこの裏山に出てくんの?意味分かんない。って、落ち着けアタシ。これまで中級悪魔は窃盗仲間と一緒に倒しただけで、一人きりで倒したことがない。最低でも動ける仲間が4、5人欲しい。でも周りには動揺しているハナしかいない。しかもハナの使えるスキルは「心」系統魔法だってことしか分かっていない。どうしよう、これって絶体絶命の大ピンチじゃん。
「ハナ、とりあえず逃げよっ」
アタシは戸惑うハナの手を取って木の上に逃げた。
「この山って食べれるものあるのかなぁ」
「え、いっぱいあるじゃん。見て見て!ほらこのカエルなんておいしそうだよ」
アタシは赤と黒の縞模様のカエルの足をつかんでハナに見せた。アタシにとってカエルは向こうにいた時のごちそうだったからついテンションが上がってしまった。
「ひゃっ……気持ち悪い……モモちゃん、これほんとに食べれるの?」
ハナはカエルを見て青ざめてた。こんなごちそうを目の前にしてこんな反応するなんて、ほんとに世間知らずなんだろうなぁ。
「まぁ、騙されたと思って食べてみなよ、美味しいから大丈夫だよ」
「う、うん……」
ハナはそれから引きつった顔で一緒に食材を探してくれた。ハナは意外と木の実には詳しくってこの日のディナーはとっても豪華なものになった。帰ったら寮のおばちゃんに自慢してやろうっと。時々他の魔法使いの生徒たちとすれ違ったけど、アタシが捕まえたクモやヘビ、カエルを見てみんな逃げていった。皆、この美味しさを知らないなんてもったいないよね。ハナはごちそうを食べる時少しためらっていたけど一口食べてみると「美味しい」って言って完食していた。全部食べてくれたら、たくさん捕まえた甲斐があるよね。
「お腹いっぱいになったから眠くなってきたね」
「うん、そうだね。寝よっか」
アタシ達はテントの中に戻って休むことにした。眠くなるまで二人でたくさん故郷の話をした。
それから時間が経って夜も深くなってきてから、アタシは眠くなってうとうとしていたところ、なんだか外の様子がおかしい気がした。盗賊団にいた頃の勘を働かせて、草むらが少しざわついている気がした。おじいちゃん先生が低級悪魔がこの裏山に出没するっていうことを言っていたのを思い出した。アタシはそっと外の様子を窺った。
そこには狗型の低級悪魔がうじゃうじゃいた。それでもハナはその気配に気づかないでぐっすり眠っていた。
「ねぇ、ハナ起きて。外ヤバいって」
「ふぇ……?モモちゃん、どしたの……?って何これ!悪魔がいっぱいいるじゃん」
ハナは寝起きの重たい瞼をこすりながらアタシ達がおかれている現状にびっくりしていた。アタシはすかさず、潜伏魔法を使いながら短剣で低級悪魔に立ち向かった。久しぶりに戦闘モードに入ったから体が少し鈍っているのを肌で感じた。それでも低級悪魔だったから何とか怪我をせずに全部やっつけることができた。
「モモちゃん、後ろになんか居る!気を付けて!」
アタシはハナの叫び声でとっさに後ろに振り返った。そこには大きな狗型の悪魔がいた。
「ちっ……さっきの親玉か?低級にしては何かおっきいし、もしかして中級……」
「モモちゃん危ないっ」
ハナが叫んだ。その瞬間あの悪魔がアタシに向かって攻撃してきた。それと同時に緊張で固まっていたアタシの体が勝手に動いた。どうやらハナがアタシを魔法で操作したみたい。危機一髪助かったみたい。アタシはそれから体勢を取り直して悪魔から距離をとった。
低級悪魔しか出ないっておじいちゃん先生は言ってなかったじゃん。何で中級悪魔がこの裏山に出てくんの?意味分かんない。って、落ち着けアタシ。これまで中級悪魔は窃盗仲間と一緒に倒しただけで、一人きりで倒したことがない。最低でも動ける仲間が4、5人欲しい。でも周りには動揺しているハナしかいない。しかもハナの使えるスキルは「心」系統魔法だってことしか分かっていない。どうしよう、これって絶体絶命の大ピンチじゃん。
「ハナ、とりあえず逃げよっ」
アタシは戸惑うハナの手を取って木の上に逃げた。