プロットのみ

文字数 904文字

起)12歳の不登校児、逸見杏里。引きこもって出てこない娘を心配をする母親の梓。どこで家庭の事情を聞きつけたのか親戚の叔母である反町あんこが家に足を運んだ。杏里の部屋の前で頼まれてもいないというのにある昔話をし始めた。主人公の名前も杏里と同じ《あんり》だった。同じ12歳のあんりもまた不登校児で、ある日、不思議な体験をしたといった。目が覚めたら隔離された少女の中にいたのだと。

承)あんりは囚人ハワード=アンドリューという名の隔離令嬢になっていた。ボロボロの服でも顔は、あんりも可愛いと魅入って見てしまうほどだ。しかし、ハワード自身は看守に襲われても分からないほどの重度の障碍者でもあった。だが、中にあんりが入ったことによって喋り出して泣いて喚いて看守のゲゾを嫌がる。彼女の今までしたことのない抵抗にゲゾも、中身がハワードではないと気がつき、あんりから話しを聞く。元の世界に戻り元のハワードに戻れるようになるのならと協力をするとゲゾも約束をする。小人姫のイライザ=イグァナも牢獄に中で暮らしており、借りぐらしの恩と惜しみない協力を約束する。

転)ハワードはあんりの現在世界で身体の中にいた。自身の移転魔法が上手くいったことに喜ぶ。彼女が探すのは【魔女の祖】と呼ばれる女。見動きも話すことも出来なくなった原因は、自身の娘に魔力がある魔女だということに恐怖した貴族である父親からの毒によるものだ。そして牢獄に隔離投獄をした。晴れて自由の利く身体になったハワードはあんりを苛めていた同級生をコテンパンに仕返しをする。ようやく【魔女の祖】と呼ばれた女を見つけたのだが、彼女は日本人として生き、家庭を築いていた。目の前には【魔女の祖】が老いた姿で暮らす。

結)ハワードとあんりは交互に身体を共有するようになっていた。ハワードはあんりの事情を。あんりはハワードの事情を。代わる代わる身体の世界の狭間で二人は出会う。「あんたはうちだったんだね」「貴女もあたし。お互い、自由を楽しみましょう」

 物語を話し終えたあんこの前に杏里の赤い目で立ち竦んでいる。「うちはあのこなんだね」「アタシもあの子さ。お互い、もっと知り合おうじゃないか」
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