第4話 言葉はいらない

文字数 140文字

 祖父母の柴犬は猫のような奴だった。とにかく無愛想で遊びたい気分の時だけ俺をボール投げ機にした。
 そんな奴も祖父には甘えた。奴はあぐらをかく祖父の膝にそっと頭を置き、祖父もテレビを観たまま奴の頭を撫でる。言葉のいらない関係がそこにあった。
 ふたりが亡くなった今も鮮明に覚えている。
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