第1話

文字数 2,117文字

テレワークが始まって3日がたった。
コロナ禍が始まって1年以上たつのに(今は2021年5月)、ようやっとテレワークデビューである。

やってみた感想は、テレワーク最高。もう通勤したくない。である。
通勤時間がカットできるというのも大きいが、例え自宅が職場の隣にあったとしても出社せずに仕事したい。
理由はオフィスで働くより、自宅でテレワークをするほうが仕事に集中できるし、自分次第でより豊かに過ごせるということだ。

 まず時間がある。9時始業なら8時半ぐらいまでは自分のことや家事に時間を使える。早朝の散歩だってできる。9時には仕事を始めていなければならないのは自宅でも同じだから時間を気にしながらの行動となるし、あまり大したことはできないが例えマンガを読んだりスマホゲームをしてだらっと過ごしたとしても、ぎりぎりまで寝ていたとしても満員電車に詰め込まれて不快な、スマホのチェックも電車の窓から外を見ることもできない1~2時間を過ごすよりは、よほど豊かな時間の使い方だと思う。

次に1人暮らしだからということもあるが、周囲に人がおらずある程度静かな環境で仕事ができるので集中できる。今までオフィスで仕事をしながら当たり前に聞いていた、自分の仕事と全く関係のない他のチームの人の仕事の話や、時々起こるPCのエラー音、人が動くのを目の端で見ることなどは全て集中を妨げる邪魔なものだったと気づいた。

私の仕事であるシステムの開発作業や、事務作業などもそうかもしれないがデスクワークはテレワークにできるはずで、これからも、アフターコロナになってもテレワークに移行した方が生産性のためにも良いと思う。

最後に、テレワークの方が自分の生活を工夫してどんどん素敵に、より豊かにしていけると思う。通勤の時は長く電車に揺られて人混みに揉まれ、朝会社の最寄り駅についただけで気分はうんざり、疲れてしまっていた。そして通勤のイライラや疲れを解消するために予定にないカフェに寄ったり、コンビニでお菓子を買ったりといったことが発生しお金を無駄に使ってしまい、自分の意志の弱さにうんざりして更に嫌な気分になり始業を迎えていた。

テレワークになると人目がないのでどんどんだらしなくなるというネットの記事をよく見る。私と同じチームの20代男性は、テレワークになってから健康診断の数値がとても悪くなったと話していた。本来多少無茶をしたって健康に影響のない人が多いはずの若い人でさえ、そんなふうに言うのだからずっと家で仕事というのは確かに良くない面もあるのだろう。

だが、私の場合は逆だ。通勤しているときはとにかく急がなければならないので、どこに行くにも自転車で行っていたがテレワークになってからは通勤がない分、時間に余裕があるので近所のスーパーに歩いて行ったり、夕方歩いて行ける範囲の広めの公園まで散歩してベンチで休憩したりできるようになり運動量が少しだが増えた。

食事は必ず自炊ができるようになり通勤の時は疲れて時々買ってしまっていたお惣菜やお弁当、予定にない外食もしなくなった。通勤の時もお弁当を作って持って行っていたので外食やコンビニ弁当よりはカロリーや調味料は抑えられているのではないかと思うし、野菜もとれていたが、それでも自宅で作る料理のほうが野菜がたくさんとれる。
仕事中の間食もヨーグルトやバナナ、煮干しなど人前で食べると目立ったり少しだが匂いがあったりして、オフィスでは食べづらい体にいい食材を選ぶことができる。
もちろん睡眠も、ちゃんと7時間程度とれる。

テレワークは、仕事のできる人とできない人をはっきり分けると言われている。会議や雑談がないか、あってもとても少ないので必要以上に人と会話をすることに時間を使い仕事をしたことにするということができない。オフィスと違って人の目がないし上司や先輩、同僚に気軽に相談することもしにくいだろうから、自分の作業をするために何が必要か考えて誰も見張っていないところで仕事の成果をちゃんと出さなければならない。
それには厳しい面もあるが、なんの権限もない平社員だったとしても自分なりにどんどん工夫していけるという面もあるのではないだろうか。会社ではいろいろな人の目や意見があるのでこの方法の方がやりやすい、自分はこの方が成果が出せると思っても立場上できないことも多い。テレワークでは他の人の顔色に邪魔をされるということがないのだ。
仕事だけではなくテレワーク中の生活も同じではないだろうか。特に一人暮らしや家族が日中出かけている人は自分以外の人間に見られておらず、どの時間に何をするか誰かが決めてくれるわけではないからいくらでもだらしなくできる。
だが通勤時間がないこと、ずっと自宅で過ごせることを利用して食事を自炊したり、ちょっとした家事を休憩タイムに済ませたりして、自分の時間をより大切にすることもできる。家にいない時は気にならなかった部屋の汚れや散らかりに気づいて、掃除をするきっかけにすることもできる。
テレワークの長所を利用して、今までできなかったちょっとした工夫を積み重ねこうなりたいと思う理想の、より豊かな生活に近づけていきたいと思う。


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