第6話 保護

文字数 505文字

 病院とかいう場所から、また別の家に運びこまれ箱から出された。

 慌てて部屋の(すみ)に駆けていき隠れられそうな場所に飛び込んだ。
箱をもった人間は、それを見てなぜか笑って去って行った。
まわりを見渡すと猫だらけだ・・

 何処(どこ)? ここは・・

 すると一匹の猫が近づいてきた。

 「新入り(しんいり)か? 良く来たな。」
 「!・・・」
 「そんなに怯え(おびえ)んなよ、ここは安全だ。」
 「?」
 「すぐに慣れるさ。」

 そういうと、その猫は去って行った。

 数日、俺は(すみ)縮こまり(ちぢこまり)、周りを恐る恐る見ていた。
ここでは決まった時間になると餌が出され、最初は警戒していたが空腹には勝てなかった。

 やがてこの場所は人間が猫と遊んでいく場所だと分かった。
ここの環境に慣れ、人に触られても怖くなくなり、人間と遊ぶようになった。
遊びが楽しくて、自分からネズミのオモチャを加えて人間に近づくようになった。

 そんなある日、また、突然、箱に入れられた。

 「なんで!! ここがいい!! ここに居させて!!」

 叫んだが箱から出して貰えず、連れ去られた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み