異世界ハーレム
文字数 4,557文字
だが、
目の前には少女に持ち上げられたトラックがあった。
転生を選べば新しい、その世界にあった顔で生きる事が出来ます。そのモブ顔からも卒業できますね。
逆に転移であれば今の自分のまま、異世界へと向かえます。モブでもよければ……
支離滅裂な話だったが、少女は女は嫌いだと受け取った。
そんなあなたにはこの、┃拒絶するモノ《バッドコミュニケーション》がお勧めです! なんと、女性を寄せ付けなくする能力です!
更に! 今まで紹介した能力と同じように魔力消費なしで、常時発動の優れものですよー!
その手には手紙が握られていた。
あなたに授かった能力のおかげで僕は、異世界でハーレムを形成する事が出来ました。
最初は何に使えるんだと思ったこの能力も、あることに気付いてからは最高の能力だと思うようになりました。
それは、鉱石や食物のように壊れても使えるものがあるということです。
レアな鉱石を見つけてからはもはや、ポケットを叩くだけでお金が増え、まさに打ち出の小槌だな、なんて思っています。
さて、僕のハーレムですがもちろん、美しいだけではありません。
強さもピカイチで、もはや護衛も彼女達だけにしているぐらいです。
僕の金を狙ってたびたび冒険者や盗賊なんかが襲ってきましたが、全て撃退してくれています。
最高級の暮らしに、最高級の女達、本当に感謝しています。
そこで、女神様も良かったら僕のハーレムに加わりませんか? きっと楽しいと思います。
では、色よい返事を期待しています。
実際、ハーレムの女性達は向こうの世界でも最強の戦士や魔法使いですからねえ……。
今のあなたでもギリギリ勝てないかも……
男なら誰もが夢見る異世界ハーレム。
その夢が絶対に叶わなくなった男は絶望していた。
各国にまで知れ渡ったタカシの死も、二ヶ月もする頃にはまた別の話題へと変化し、各国を巡っていた。
その話題とは……
全世界で男性の数が急速に減少しているということだ。約一千万人程だった男性の数が、すでに数百人となっている。各国はこれを新たな魔王の仕業と考え、各国の精鋭を魔王城に送り込んだ。
しかし、
逃げ出す際に負った傷だ。回復魔法を使おうにも二人とも魔力は切れている。
辺りはいつの間にか闇に包まれており、声の主の姿を見ることはできない。
だが、
人類は後百年もすれば滅んでしまうだろう。男性が死に絶えた今、新たな命が生まれることはないのだから。
絶望した男によって世界は滅亡を迎えるのだ。
その笑い声はいつまでも続くだろう。
そう……新たな男の転移者が現れるまでは。