現代の啓蒙君主へ

文字数 670文字

ずっと喉が渇いている。
それを無視して歩いていた。
あーあ、気づいたら
いつから人生イージーモードになった?そうだ、全部諦めてからだ。
何か勘違いして、大した努力もしないで何かになれると思っている。
もしくは、何かになったつもりでいる。
何かを誰かを自分を、
キンキンに尖ったナイフで刺すことに躊躇いを持てない。そうなってくると自傷行為と同じである。今から神に負債を押し付ける。
努力できるかどうかも遺伝で決まり、多少環境に違いがあれど生まれた時点で、天井はきまっている。いや決まっていた。だとすれば、やはりDNAも何もかも傷付けらずにはいられない。血の滲むような努力、血反吐を吐くまで、さよなら、無能な遺伝子たち。ジャガイモみたいに組み替えられたら良かったね。まき散らすだけまき散らしても無能なのは変わらず、ぬぐわれないのは報われないのも、全部君のせいだ。君のせい。君が君だからである。ああ、なんて残酷なんだろうか、自分を愛してとか自己肯定感とか、わたしはわたしをどうにもできないのに、自己嫌悪だって抗うためにあるのに!それすらやめて自分を愛して愛して目をつぶって達観して優しくなったって、君は、私はどうにも何も変わらない。賢くなったふりに何度痛めつけられた?エーミール、君は正解だ何もかも。最下層であっかんべーしかできなくなっても、結んだ縄が緩んでしまっても、抗うためなら止めることはできないよ。
ちなみに死ねないのも君が君だからだ。なんでもなく君のせいだ。
裏返しても同じ。
そこに責任がなくとも。
振り返れば、私達は誰も自分の意思で生まれていないのだから。
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