第1話 男と女は食い違い、そして‥‥
文字数 2,000文字
男は女に感心しつつも、彼女が少し得意げに微笑んでいるように感じた
女は自身の今までの恋愛の有様を男に打ち明け、辛い現実を事実のまま述べた
女は男の吹き出しにグッドマークで答えた。彼女は少し微笑み、男の言葉を噛み締めていた
いいか ! ! 概念なんてどーでもいい ! ! ! 大事なのはおらあがおめえを選んだというかおめえに決めたということだ ! だから、導けるというのなら、導け ! どんどん、壊して進んで行ってやる !
創造は破壊から、生まれるんだよ ! ! おめえも壊してやる !
おらあ、本当の愛、真実の愛、なんて求めるだけ、虚しいと考えて来た
それは、両親の喧嘩を幼い頃から、ずっと見続けてきたせいかもしれない
だが、彼ら2人を責めるためにこんなことを話してるんじゃない
自身の真実を掴むため、こうして記している
おめえを観察していて感じたんだが、恋人と付き合って来て今まで「愛してる」とか言葉とかで表現して来たことほとんどねえつうかまったくなかったんじゃねえか ! ? それだよ ! ! 付き合う男皆が「金がねえ」とおめえに出させるようになるのは ! ! お前は愛を表現することが殆どねえから、男は愛されている実感が欲しくておめえに金を出して貰うことで愛を感じることができる。おめえはおめえで愛を表現してない負い目があるから、金を出してしまう羽目になる。いいか ! ! ! 「愛」つうのはなんかで表現することだ。生きるっていうこともな ! おめえは画家だろうが ! ! 画家つうのは絵を描くから画家なんだろ。描かねえなら、ただの「ガッカリ」だ ! ! !
あらら、この人、自分は「愛」を表現することが殆ど出来なくて、嗜められたこと、やっとわかってくれたみたいね。わたしのレクチャーもお役に立ててよかった。その調子で頑張って ! この恋愛初心者のグリーンボーイさん‥‥
おい ! ! 何を躊躇してるんだ ! ? 本当に好きなら、傷つくし、傷つけるのが普通のことなんだよ ! ! いつまで傷つくのを恐れてるんだ ? 今までも散散傷ついて来たんだろ ! だったら、なんも怖えことなんかねえじゃねえか ! ! !
君の置かれている状況を君自身から聞きたい。君の今までの体験を考慮して、ずっと君から、動いてくれることを待ち続けて来た。それが優しさだと想い続けて来たから。でも、それが本当は適切とはいえない可能性が高いというメッセージを受けた。時間とは何だ ! ?
本当の優しさとは「相手を慮って、自分が傷ついてるにも関わらず、それを直視せず、それでも相手の好きなようにさせることではなく、自分の正直な気持ちを伝えて、それでも相手が応えて来ないなら、見切りをつけること」
「天地を動かす」という言の葉がある
男は今までのやり取りを見返しながら、自ずと頬が濡れていた
男は如何に自分が深い愛を抱いているかに気づき、感激していた
女は見えない体で彼に触れた
男は何かを感じた
少なくとも人生だけは彼の為に微笑んでくれる
そうであって欲しい━━