第1話
文字数 1,455文字
ミレーのちちは、おうしつに つかえる いしょうがかり です。
いつも おうさまのりっぱな いしょうや、
おうひさまの うつしいドレスをつくっています。
ミレーもおおきくなったら ちちのように りっぱな いしょうがかり
になるために、いつも ちちのてつだいをしています。
ミレーには、このところずっと きになっていることがあります。
それは、ミレーとおなじとしのおひめさまについてです。
おひめさまは、ちちのつくったドレスをきても、まったくよろこばないのです。
おうさまや おうひさまは、ドレスをきると
「とてもきにいったよ」「なんてすてきなの!」と
えがおでいいますが、おひめさまは
「こんなドレスきたくないのに」
といって、しぶしぶドレスをきています。
それに、おひめさまは いつも げんきがないようすでした。
ミレーのちちは、おひめさまが よろこんでドレスをきたくなるように
さまざまなくふうをしました。
いろを ピンクやみずいろなどの あざやかなものにし、
たくさんのリボンをつけ、フリルをごうかに ほどこし、
レースを いくえにもかさね、
きらめく ほうせきをたくさんちりばめました。
ところが おひめさまは すこしもよろこびません。
ついに ちちは こまりはててしまいました。そして
「なあミレー、おひめさまがどんなドレスをきたいのか
わたしにはもうわからない。かわりにおまえが
おひめさまのドレスをつくってくれないか?」
といいました。
「わかったわ、パパ。」
とミレーはいい、おひめさまが えがおになるドレスをかんがえることにしました。
ミレーがおしろのにわの こかげ にすわってドレスのデザインをかんがえていると、
このにわで おひめさまとよく おいかけっこをしてあそんでいたことをおもいだしました。
じつは、ミレーは おひめさまがおさないころの あそびあいてでした。
「むこうにみえる やまでは、よく かり をしたなあ。
あそこの おかのほうへ、うまにのって よく きょうそうしたなぁ…」
ミレーはおひめさまとあそんでいたころの、たのしいおもいでをなつかしみました。
というのも、いまではもう おひめさまとあそぶことはないからです。
おひめさまは、としごろになるにつれて おべんきょうや
おけいこごとを しなくてはならないため、
そとあそぶことが できなくなっていました。
ミレーは、あのころ たのしそうにすごしていた
おひめさまのえがおをおもいだします。
そしてふと、ドレスのデザインをおもいつきました。
それから かたがみをかき、それにそって ぬのをきって、ぬいあわせました。
よくあさ、ミレーはできあがったドレスにカバーをかけ、みんなのまえへもっていきました。
おひめさまと、おうさま おうひさま ちち めしつかいたちが みまもるなか、
ミレーはカバーをはずしました。
そこには、ふかみどりいろのドレスがありました。
しかもそのドレスには、ほうせきやフリルやレースはなく、
リボンがひとつあるだけでした。
みんなはとてもおどろきました。
ちちはミレーに
「なんだこれは!」
と、しかりつけました。
そしたらおひめさまが、
「なんてすばらしいドレスなの!」
と、えがおでさけびました。
さっそくおひめさまはそのドレスをきると
「ミレー、ありがとう!」
といって、にわにとびだし、しばふをころがり、うまにとびのり、
はしっていってしまいました。
おうしつじゅうがおひめさまの かわりようにとてもおどろき、
あわてておいかけていきました。
ミレーもえがおになって おひめさまをおいかけていきました。
(おわり)
いつも おうさまのりっぱな いしょうや、
おうひさまの うつしいドレスをつくっています。
ミレーもおおきくなったら ちちのように りっぱな いしょうがかり
になるために、いつも ちちのてつだいをしています。
ミレーには、このところずっと きになっていることがあります。
それは、ミレーとおなじとしのおひめさまについてです。
おひめさまは、ちちのつくったドレスをきても、まったくよろこばないのです。
おうさまや おうひさまは、ドレスをきると
「とてもきにいったよ」「なんてすてきなの!」と
えがおでいいますが、おひめさまは
「こんなドレスきたくないのに」
といって、しぶしぶドレスをきています。
それに、おひめさまは いつも げんきがないようすでした。
ミレーのちちは、おひめさまが よろこんでドレスをきたくなるように
さまざまなくふうをしました。
いろを ピンクやみずいろなどの あざやかなものにし、
たくさんのリボンをつけ、フリルをごうかに ほどこし、
レースを いくえにもかさね、
きらめく ほうせきをたくさんちりばめました。
ところが おひめさまは すこしもよろこびません。
ついに ちちは こまりはててしまいました。そして
「なあミレー、おひめさまがどんなドレスをきたいのか
わたしにはもうわからない。かわりにおまえが
おひめさまのドレスをつくってくれないか?」
といいました。
「わかったわ、パパ。」
とミレーはいい、おひめさまが えがおになるドレスをかんがえることにしました。
ミレーがおしろのにわの こかげ にすわってドレスのデザインをかんがえていると、
このにわで おひめさまとよく おいかけっこをしてあそんでいたことをおもいだしました。
じつは、ミレーは おひめさまがおさないころの あそびあいてでした。
「むこうにみえる やまでは、よく かり をしたなあ。
あそこの おかのほうへ、うまにのって よく きょうそうしたなぁ…」
ミレーはおひめさまとあそんでいたころの、たのしいおもいでをなつかしみました。
というのも、いまではもう おひめさまとあそぶことはないからです。
おひめさまは、としごろになるにつれて おべんきょうや
おけいこごとを しなくてはならないため、
そとあそぶことが できなくなっていました。
ミレーは、あのころ たのしそうにすごしていた
おひめさまのえがおをおもいだします。
そしてふと、ドレスのデザインをおもいつきました。
それから かたがみをかき、それにそって ぬのをきって、ぬいあわせました。
よくあさ、ミレーはできあがったドレスにカバーをかけ、みんなのまえへもっていきました。
おひめさまと、おうさま おうひさま ちち めしつかいたちが みまもるなか、
ミレーはカバーをはずしました。
そこには、ふかみどりいろのドレスがありました。
しかもそのドレスには、ほうせきやフリルやレースはなく、
リボンがひとつあるだけでした。
みんなはとてもおどろきました。
ちちはミレーに
「なんだこれは!」
と、しかりつけました。
そしたらおひめさまが、
「なんてすばらしいドレスなの!」
と、えがおでさけびました。
さっそくおひめさまはそのドレスをきると
「ミレー、ありがとう!」
といって、にわにとびだし、しばふをころがり、うまにとびのり、
はしっていってしまいました。
おうしつじゅうがおひめさまの かわりようにとてもおどろき、
あわてておいかけていきました。
ミレーもえがおになって おひめさまをおいかけていきました。
(おわり)