第6話
文字数 370文字
炬燵の中で、関ヶ原合戦の夢を見ていた。暑くなって、外に出た。三郎が鉛筆で裏紙に、手紙を書いている。それは退職願だった。
私は怒った。
「おい、何やってる! 情けなくないのか? もう少し頑張れよ! 」
「五月蠅いなー。さっき喰ったろ。発情でもしたのか? 」
やはり、言葉が届かない。そして、三郎は部屋を出た。私は追いかけて、大声で激励した。
「おい、下剋上だ! 上司を張り倒せ! 」
三郎は私を無視して、居間に入った。
「お母さん。書き方は、これでいいかな? 」
母親はカサカサの手で、退職願を受け取り、眼を見開いた。
「あんた。また……。」
「だって、向いてないよ。」
母親は上を向いた。数秒後、少し息を吸うと、下を向いた。
「仕方ないね。」
私は吠えた。
「このまま引き下がるな! 男なら闘えよ! 最後まで根性出したら、埋蔵金のありかを教えてやる! 」
私は怒った。
「おい、何やってる! 情けなくないのか? もう少し頑張れよ! 」
「五月蠅いなー。さっき喰ったろ。発情でもしたのか? 」
やはり、言葉が届かない。そして、三郎は部屋を出た。私は追いかけて、大声で激励した。
「おい、下剋上だ! 上司を張り倒せ! 」
三郎は私を無視して、居間に入った。
「お母さん。書き方は、これでいいかな? 」
母親はカサカサの手で、退職願を受け取り、眼を見開いた。
「あんた。また……。」
「だって、向いてないよ。」
母親は上を向いた。数秒後、少し息を吸うと、下を向いた。
「仕方ないね。」
私は吠えた。
「このまま引き下がるな! 男なら闘えよ! 最後まで根性出したら、埋蔵金のありかを教えてやる! 」