最期の森
文字数 857文字
空には黒い雲が立ち込め、遠くではゴロゴロと雷鳴が聞こえてきた。
しばらくすると雨はどしゃ降りになり、着ている服もすぐに水分を含み、肌に貼り付いてきた……。
しかし、スマートフォンに表示されたのは、無情にも圏外という文字だけ。フラグが一本も立つことはなかった。代わりのフラグとして、死亡フラグが乱立しているが……。
気が動転していたからに違いない。
田中と山田が惨殺されたのは間違いない。
美鈴はこの目でしっかりと確認した。
崎島トンネルの壁に磔にされていたのも事実だ。
紗愛にも怖い思いをさせた。
愛海には、迷惑をかけてまでついてきてくれた。
理子は、新聞部の部長として美鈴たちを安心させようとしてくれた。
だから、一緒に帰ろう、と思った。
その命……よこせ……
4人は、声の主を探して辺りを確認してみたが、何もいない。
しかし、その驚異は4人に近づきつつあったのだ。
そして、4人が後ろを振り替えると……
斧を持った朽ち果てたミイラのような老婆が立っていたのであった。
その後、美鈴・紗愛・愛海・理子の行方は分かっていない。
しかし、新たな心霊現象として、4人の若い女性の笑い声と走る音などが聞こえる……という噂を残して……。
皆さん、肝試しはいいですが、決して興味本意で危険な所には立ち入らないようにしましょう。
この危険は、皆さんにも迫っている事ですから……。