起)

文字数 674文字

 ここは神秘のカードが美しく散りばめられています。タロットカードとはまた別の、東洋のカード。1つのカードが閉じると、また1つのカードがめくりあげられます。それが何万枚もヒシと並べられているのです。

 人間の手は一切使わず、大きな平屋で行われています。その中に1枚だけ、めくられないカードがありました。他のカードに抑制させられているのであります。その裏をめくったなら.........。

承)

寂しい寂しい、と声がします。1番中央にあるカードからその声がします。お釈迦様は天界からそのカードを見ると胸が痛みました。
他のカード達にこう告げます。
「そのカードには魔力はあります。けれども、ご覧なさい。あなた達に抑えられて表を出すことが出来ない」

周りのカードはお釈迦様に訪ねます。
「ならば、どう致しましょうか?」

お釈迦様は仰います。
「そのカードをめくった上に、このハスの花を乗せましょう」

転)

キラリ、キラリと天界から落ちるハスの花。それが中央のカードを目掛けて落ちていきます。
寂しい寂しい、と中央のカードは泣いています。
ハスの花が落ちると同時に他のカードも手伝って、中央のカードにハスの花を乗せました。

すると、

結)

ハスの花はカードの魔力によって、焼き尽くされました。次第に周りのカードも焼き尽くされていきます。
「フフフフ」と魔力のカードの声。そして、何万枚にも及ぶカードが焼き尽くされたとき、お釈迦様はカードに雷を落としました。

そのカードはまた裏面になりました。その平屋を訪れる者に「寂しい寂しい」と訴えかけます。

そのカードをめくった者達は皆.........。
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