第3話 ダシはありますか?

文字数 401文字

○古和荘201号室 7:00am
コンコン!
はーい!誰かしらこんなに朝早くから。
ガチャ!
203号室の海野カツオです。

すみません、味噌汁作ったんですけど、

カツオダシをきらしちゃって、貸してくれませんか?

魚類の方でしょうか?

もしかして、あなた自身がカツオ?

冗談じゃない、身を削られる想いです。

ぷっぷ...

酸欠になりそうだ、早くダシを!

アシノモトならありますよ。

チョット待って。

甲斐甲斐しい瑠衣。
はい、どうぞ。

ワタシは、栃木出身ですが、

海野さんの御出身は?

ボクは高知です。

毎年初ガツオの春先のシーズンになると、

ガスバーナーで炙られちゃって熱いのなんの。

あっ、やっぱり海野さんは魚類?
冗談じゃない。

これでも列記とした人間の♂ですよ。

今度、東京湾で水中デートしませんか?

水が汚いし、眼が痛くなるし、苦しくなるから、お断りします。
あっ、ふられた。

じゃ、ボクはこれで。

バタンっ!
ふっー、やっぱり魚類なんだわ。海野さん。
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