第1話

文字数 921文字

起)赤や青など通常と違った髪色を持つ先天性疾患(通称:玉虫シンドローム)。
奇抜な髪色と端正な容姿が特徴だが、知能指数が低く、仕事が続かない人が多い。
そのため、容姿に対するやっかみや差別されることが多い。
ピンク色の髪を持つ・雪平桜は学者一族の両親を持つが、玉虫シンドロームのため期待されず孤独な子供時代を過ごす。しかし猛勉強の末、県内一の進学高校へ入学する。
入学式で、主席合格した・山下碧と出会う。碧は緑色の髪色を持つ、玉虫シンドロームだった。
最下位で入学した桜のため、担任の配慮で碧に勉強を教えてもらうことになる。
しかし碧は桜を見て「最下位で入学してくるなよ」と一喝。
桜は碧を喧嘩してしまう。

承)桜は一生懸命勉強するが、テストでひどい点数を取ってしまう。
桜は学校で最後まで残って勉強をしている碧をみつける。毎日遅くまで勉強していたのだった。桜は碧に謝罪し、二人は和解する。
碧はかなりスパルタだが、桜のために何時間も付き合ってくれ、桜は碧に感謝する。
ある日、桜はクラスの男子から告白される。
理由は可愛いから。同じ日、碧も同じ理由で女先輩に告白されていた。
告白を見ていた女子にやっかまれ、落ち込む桜。
そこへ先輩を振った碧が現れて、二人は容姿だけで判断される世の中を変えたいと将来の夢を話す。

転)桜は、水色の髪の父親と歩く碧を見かける。碧の父も玉虫シンドロームだった。
一緒に勉強をしていた夜、桜は碧の髪の根本が黒くなっていることに気付く。
「もしかして染めているの?」と思わず聞く桜。
次の日から碧は学校に来なくなった。
桜は碧と父親を見かけた団地付近まで探しに行くと、碧の父親を見つけた。
碧は実は双子で、亡くなった弟・翠は玉虫シンドロームだった。
優しく、勉強もよく出来た翠のことを碧は誇りに思っていた。
翠と同じ髪色にしているのは弟や玉虫シンドロームに対する偏見を取り除きたいからだった。

結)桜は毎日手紙と授業ノートを届ける。
最初は何も反応がなかったが、少しずつ桜の誤字脱字や計算ミスを赤字で修正してくれるようになった。桜は碧のいないテストで、真ん中の成績を取った。
桜は碧にテスト結果を見せると、碧はまだまだと笑う。
そして二人はまた勉強を始めるのだった。

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