プロローグ
文字数 293文字
コンロにかけた鍋の中でゆっくりとミルクを煮詰める。
さらさらとした真っ白な液体を根気よく木べらでかき混ぜながら温めるとゆっくりとその液体は重さを増していく。
煮詰めたミルクは少しだけ黄色っぽくとても懐かしい香りがする。
そう、あの夏みたいな匂いだ。
とろとろと、あつく甘い香り。自分の熱とまざりあって、どんどん濃くなっていく。
「お兄ちゃん美味しいね」
そういって微笑む妹。
ただ、それだけで幸せだったのに。
あの瞬間を取りもどしたい。
ただ、それを願った結果がここにある真実である。
もう二度と取り戻せないと思っていた夏をもう一度取り戻す方法があったんだ。
さらさらとした真っ白な液体を根気よく木べらでかき混ぜながら温めるとゆっくりとその液体は重さを増していく。
煮詰めたミルクは少しだけ黄色っぽくとても懐かしい香りがする。
そう、あの夏みたいな匂いだ。
とろとろと、あつく甘い香り。自分の熱とまざりあって、どんどん濃くなっていく。
「お兄ちゃん美味しいね」
そういって微笑む妹。
ただ、それだけで幸せだったのに。
あの瞬間を取りもどしたい。
ただ、それを願った結果がここにある真実である。
もう二度と取り戻せないと思っていた夏をもう一度取り戻す方法があったんだ。