第1話

文字数 1,513文字

俺には今のところ、3人友人がいる。
1人目は一番心許せる奴、ゴウ。
怖いもの知らずで、向こう見ず。でも超優しい…どういう風に優しいかと言うと、友達の事を自分のように大事にするとこ。そういうのって有言実行難しいからね。
それを自然にやってのける。。ぶっちゃけそういう所がかっこいいと思っている。

2人目は、ニイ。
酒、タバコ、軽くクスリもやる。女好き…こう書くと、悪い奴に見えるが、
実は真っ直ぐで、仲間思い。…ちょっとだけビビリなのがタマに傷だけど…そのビビリだって可愛いレベル。

3人目は……………良くわからない。つーか俺、何で友達してんだろ?

*********************


「あんたってさ、実は良い子ちゃん、じゃあ、ないでしょ?」

「…ああ、そうとも言える。…君の言う『良い子』の定義は不明だけどね。」

意外にもあっさりと相手は認めた。
ビジネスライクな返し口調に、適当に調子を合わせた?と、瞬間的に俺は思った。
それ思うと、質問をぶつけた自分がアホの様な気分にさえなる。

「…いつからそう思っていた?」

俺の予想に反して、相手は続ける。

「意外……掘り下げるの。」

「…ふん、まあね。両親との約束で…不快な質問でも友人が聞いて来るのは訳がある。」
「ふーん」
「だから、うるさい、黙れバカ、みたいな言葉で会話を切る事はやめてほしい、と」
「昔はアンタ、そうしてたって事。」
「わざわざ確認する?…そこ。…流れで分かるだろう?」

「…そりゃ…サーセンね(怒)!」

「自分で選んだ友達ならちゃんと向き合え、と」

「………へえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「つまりは、友達は大事にしろって教えを、守ってるんだよ、私は。」
「あああ、そーなんだ〜〜〜。」

「だから、君のアホ面丸出し且つ、興味失いました丸出しの相槌にも根気よく付き合う。ある程度、話の尻尾が見えるまでね。」

「…アホ丸出し、、ケっやっぱり嫌な奴!」

「…で、いつから思ってたの。。」
「…」

「話、振ったの君からだろ?」


「フンっ………いつって言われりゃ今かもね。…。前から、良い子面の割に、なんかこう…悪そうな事に免疫持ってそうな振る舞いが滲み出る様にさ…実はニイの奴よりもやんちゃ?って思っていた部分はチラホラあるよ。だからつまり…さっきふと、ピーんと来たんだよ。もしかしてそうかも?ってね。」

「チラホラね。点と点を線で繋ぎたい欲求からの質問って訳?…つくづく思う。君とゴウ、本当に似てるね。」

「何?…それがさっきの俺の質問に関係ある訳?」


「彼…ゴウからは…私が君に似てるってさ。」

「似てる……はあ?…ゴウからは俺が嫌な奴に映る時があるって事?」
「それは…知らん。しつこく嫌な奴って言ってはいるけど、…分析するに、君が私を嫌な奴って断ずる理由は、同族嫌悪って奴じゃない?」

何をほざくんだ、その口は…………俺は絶句した。

俺が返しに詰まると、コイツは、独言を決め込んだかの様だ。少し遠くに目をやりながら言葉を続けた。

「まあ、いいよ。…君の言う良い子の対義語がシンプルに悪い子って意味ならば、YESだね。
煽って来る幼稚な同級生を大人しくさせる最も簡単な手法……ボコる事だったからね。…今の品行方正な私が表の顔なら、裏の顔は…」

「…お友達をぼっこるガキ大将?」

代わりにそう答えると、コイツは嬉しそうにニヤっと少しだけ笑った。

「今の少しツボった。…悪い子だと判明しても、冷めた態度にも好感を持てる。…君が友人で嬉しいよ。」
「…ドン引いてんだよ。つーかさ、ツボったってどこの辺りが?」

「敢えて言うならガキ大将。…周囲を巻き込む事を厭わず、己の我を通す事が我儘なら私は我儘な子だったのは確かだよ。そこも君と似てるだよ?」

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