群青
文字数 295文字
群青色だと思った
空が
いったいいままでにいくつあったのだ
ろうか
パンデミック前に
祖母の手を握ってから
ぼくはまだ施設に行けていない
夜 目を閉じる
想像の中のテレビが光って
白黒の中に爆弾を落としていく
マスクでは防げそうもない粉塵が
そのまま光を消していった
せめて小説でも書こうと
ネットや本で
当時の匂いを探したけど
そこに
人間はいなかったように思う
ぼくはなにもしらない
祖母はコロナをしらない
誰も訪ねてこない理由を
白黒の味がする
自身の生きた匂いがする
細かい羽音が聞こえる
あの小さな部屋では
ぼくの小説はただのファンタジーかも
しれない
だからこそ
最後に
祖母に会えるのは
晴れた日だといいのだけど
群青色の
だからこそ
空が
いったいいままでにいくつあったのだ
ろうか
パンデミック前に
祖母の手を握ってから
ぼくはまだ施設に行けていない
夜 目を閉じる
想像の中のテレビが光って
白黒の中に爆弾を落としていく
マスクでは防げそうもない粉塵が
そのまま光を消していった
せめて小説でも書こうと
ネットや本で
当時の匂いを探したけど
そこに
人間はいなかったように思う
ぼくはなにもしらない
祖母はコロナをしらない
誰も訪ねてこない理由を
白黒の味がする
自身の生きた匂いがする
細かい羽音が聞こえる
あの小さな部屋では
ぼくの小説はただのファンタジーかも
しれない
だからこそ
最後に
祖母に会えるのは
晴れた日だといいのだけど
群青色の
だからこそ