第3話 潮見さんが助けにきてくれた!

文字数 819文字

潮見さんが助けにきてくれた! 閉じ込められて、毎日毎日、望まないコードを書かされて(さとる)は過ごしていた。聡の身体にはRFIDタグが埋め込まれ、トイレに行くのも1秒単位でメインコンピュータに管理されていた。ちょっとでも気を抜くと、タグから激しい電気ショックが送られ、その場に昏倒することになった。まさに機械やAIに管理された奴隷労働である。



潮見さんは、見慣れない工場服をまとい、出入りの業者がコンピュータ機器や部品を納入しにきた振りをして、データセンターに入ってきた。いや、デタラメではなく、本当にその業者と知り合いだったことがわかり、本日納品分の基盤やら何やらを箱にギッシリ詰め、台車に載せてやってきた。

潮見さんは聡の姿をみると、わずかに口角を上げて合図した。



潮見さんは納品後、ネットワークに些細な問題を発生させて、大げさに困った顔をした。誰かこの問題を解決できる人がいませんか? と尋ねて、作業室で聡と二人きりになるチャンスをものにした。二人は冥界で出会ったオルフェオとエウリディーチェみたいに素早く抱き合い、キスをした。




おあつらえ向きなことに、そこはコントロールルームであり、トラブルシューティングをする振りをして、二人はデータセンターの建物の構造を確認して、退路を相談した。そして、必要なモニターをオフにして、聡が潮見と逃げるのを妨げないようにした。

聡はデータセンターのそのエリアを凝視した。どう考えてみても、PLCに制御された多くの部屋を通り抜けなければならない。そこを抜けるには、PLCの制御を回避して、無効にする必要があった。



「PLC?」
潮見さんが尋ねた。
「プラントや工場なんかの制御に使われている装置です。僕はその言語を学んで、かなり大きなプラントにコードを書きに行ったことがあります…ずいぶん昔ですが。それが役に立つとよいのですが」
と聡は答えた。

そして3話から1話の順に、聡と潮見は行動して、このデータセンターから逃走した。

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