第1話

文字数 571文字

ケツが冷たくなる。

花見はケツが冷たくなるに始まりケツが冷たくなったで終わる気がする。



頭上には刹那的に咲き誇る和の象徴「桜」。目の前には解放感と共に味わうことで昼から飲む罪悪感を打ち消すことができる各種アルコール達と、野外でほおばることで2倍は魅力を増すオードブル複数。



上半身で魅力をかき集めても、野球は下半身からとよく言ったもので花見でも下半身からじりじりと気力・体力を奪われる。

ケツから伝わる大地の冷酷さに飲み込まれぬよう必死に頭上と眼前に意識を集中させることで成立する花見。



桜は下から見上げることでより一層魅力を増す花であると画面越しに伝えてくれたのは所ジョージ(所さんの目がテン!にて)。

所ジョージのコメントが生涯思い出される人間が地球上にいかほどいるだろう。

所ジョージの立ち位置を正確に説明できる人間が地球上にどれほどいるだろう。結構いる可能性あり。



花見は、不便なのがいい。

不便な所がないと思い出に残りづらい。

花見をアレンジするビジネスの一つケータリングを経験した際、花見の終わりコメントは「こんな便利なサービスあるんだ、片づけなくていいなんて良い所に目を付けたね」であることが多い。

外で便利だと少し萎える。

だから外で便利だったけどケツが冷たかったというエッセンスが貴重になる。

ケツが温かいと否応なしに寝れる冬の中央線は麻薬。
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