第1話

文字数 1,562文字

 きょうは、ようせいのくにのふぁっしょんしょーのひ。
まほうのちからをもったようせいたちが、すてきなどれすをきて、みんなのまえをあるくのです。
しかし、くらうでぃは「はぁ」とためいき。
まほうがつかえず、どれすをつくることができなかったのです。
(わたしだけのけものだわ)
 
 あたりがくらくなり、ふぁっしょんしょーのりはーさるがはじまりました。
(みんながたのしくしているのなんてみたくない。でもどんなどれすかきになる)
ふたつのきもちがぶつかりあって、こころはぐらぐら。
けれどもちらり。みたいきもちがかちました。
 
 とっぷをかざったのは、たいようのようせい。
ゆうひのようなまっかなきじにきんいろやむらさき、くりーむいろのひかりのいとがきらきらきら。
「すてき……」
みとれていたくらうでぃは
「でも……」とちょっとかんがえて、つづきをみることにしました。
 おつぎは、みずのようせい。
みずをきじにして、きらきらしずくのふりるがふるふるとゆれています。
「すてき……」
またみとれていたくらうでぃは
「でも……」とやっぱりちょっとかんがえました。
 そのつぎは、かぜのようせい。
かぜのようにかろやかに、とうめいなひらひらのすそがふわふわひゅるるとひろがります。
「すてき……」
またもやみとれていたくらうでぃは「でも……」とやっぱりちょっとかんがえました。
 さいごは、はなのようせいです。
はなをどれすいっぱいにかざり、ほわほわくんくんはなやかです。
「すてき……」
またまたみとれていたくらうでぃは
「でも……」とやっぱりちょっとかんがえました。

 くらうでぃは、まよいました。
(まほうがつかえないじぶんがたいようとみずとかぜとはなのようせいになにをいってもわらわれるかもしれない)
でも、みんなのどれすがすてきなのをみて、くらうでぃのこころもわくわくし、(こうしたい!)というあいでぃあがうかんで、とめられませんでした。
 
 くらうでぃは、まほうがつかえないながらも、たいようのようせいにいいました。
「ほんばんでは、たいようがくもからでてくるようにあなたもとうじょうしたら、ぱあーとあかるくなって、よりすてきになるのでは?」
みずのようせいには、こういいました。
「くもであめをふらせよう。あめのなかからしずくのふりるがでてくるとさらにすてきよ」
かぜのようせいには、こういいました。
「かぜのどれすはかるいから、くものうえにのってよこにいっかいてんしたらすてきだとおもうわ」
はなのようせいには、こういいました。
「どれすをきたあなたのまわりにくものはなをちらしたら、すてきじゃない?」
 
 もうおわかりですね?
くらうでぃは、くものようせいだったのです。
みんな「そうしよう!そうしたい!」とおおさわぎ。
みんなこうふんして「これはすてきになるわよね!」とわいわい。
くらうでぃはうれしくなってたのしくなって、(やくにたちたい!)とこころからおもいました。

 そうしたら……もくもくもくもく!
くらうでぃのまわりにくもがあらわれて、びっくりするやらうれしいやら!
くらうでぃはたいようのようせいたちに、くものまほうをつかいました。
 
 でも、くらうでぃにはもうひとしごと、のこっています。
それはゆめみていたじぶんのどれすをつくること!
イメージは、ひかりにあたってできるにじいろのくも。
ふわふわきらきらのにじいろドレスは、くらうでぃにとてもにあっています。
 
さっきのおかえしにと、たいようのようせいはひかりですぽっとらいとを、みずのようせいはしずくのぶろーちを、かぜのようせいはそよかぜでどれすのかたちをなおしてくれ、はなのようせいはおはなではなみちをつくってくれました。
 
ふぁっしょんしょーのほんばんは、だいせいこう!
かいじょうもおおもりあがり!
だれもがえがおで、しょーはおわりました。

おわり


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