第3話鬼神のような辺見十郎太さんの萌えな一面

文字数 796文字

南洲墓地に眠る鬼神の様な戦士、辺見十郎太さんの可愛いエピソードを見つけてしまいました。大柄で、先陣を切って戦う剣の達人、そして逃げようとする味方に対して厳しい処分もしたという話もあります。
彼は空腹で籠を使って飫肥から清武へ移動中でした。
「飯切れならんと思い、握り飯4つあるが、漬物がなかで喰えん」と言います。
漬物2切れを急いで見つけて食べさせると元気になって戦いに向かったとか。
「漬物がないと食べれない」とは子供のようで可愛い。剣の達人、まるで戦うために生まれてきたような,鬼神の様な活躍をする一方で漬物がないと動けなくなるほど空腹なのにご飯を食べれない。そのギャップに人は惹きつけられるのかもしれません。こんな一面が男子にも女子にも魅力的だったように思います。
けれど、食料も限られた戦闘中、生き残ることを考えると彼の一面はやはり理にかなっていて天性の武人だといえるかもしれません。
食物の中にも水分はあります。塩分を取らなければ、体液中の電解質のバランスが崩れるかもしれません。握り飯だけではカロリーは取れてもビタミンB群の不足が心配されます。
胚芽を取り除いた白米のご飯が大好きだった江戸では徳川家茂をはじめ壊血病を患っていた高貴な人々が大勢いました。沢庵などのぬか漬けはビタミンB群が含まれています。
もしかしたら、幼い頃、漬物と一緒に食べるものとお母さんか彼の面倒を見ていたお姉さんに言われただけかもしれません。
どちらにしても戦争中、しかも負け戦の予感が強くなっている最中の微笑ましいエピソードです。
十郎太が会うことができなかった彼の遺児は、明治35年中国にわたり馬賊汪林波として活躍します。日露戦争前夜の中国で敵の背後をかく乱したのではないでしょうか。
いずれにしても、戦争がなければ彼らと周りの人々は違った人生を幸せに送れたにおくれたと思うのです。
桜島を望む南洲墓地に眠る武人たちに合唱。
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