第1話

文字数 672文字

『類は友を呼ぶ』、その言葉の意味を、しみじみ理解した時のお話です。







私が高校生の時のお話です。



同じクラスの中に、仲良しグループの人達がいました。



全員女の子で、何でも気軽に話ができました。



彼女達とは帰り、一緒に帰ることが多かったです。



グループの中の1人の女の子がある日の帰り道、うんざりしたような表情をしていました。



なので、



「どうしたの?」



と私が尋ねると、



「アタシの部屋の外に、ずっと立っている男の人がいるんだ」



と言いました。



何でも彼女の部屋は一階にありまして、窓の外の塀の向こうに駐車場があるらしいのです。



男性はその駐車場にいると聞きました。



こちらを見られないように、窓とカーテンを閉めっぱなしにしているのが悩みだと、彼女は言いました。



「なら、警察に連絡すれば?」



と私が言うと、



「ムリ。意味ないもん」



と彼女は答えました。



「何で? 危ないでしょ?」



「だってその人、2日前にその駐車場で事故死した人だから」







…ああ、ナルホド。



それなら警察に相談できないのも、納得ですね。



彼女は塩を窓際に置き、こちらに入れなくしたそうです。



数日後には消えていたそうですが…。



そういうことをアッサリ言う彼女も彼女ですが、アッサリ受け入れてしまう私も私ですね。

















『類は友を呼ぶ』―いろんな意味で、深い言葉だと思った日でした。



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