ポンちゃんの勇気
文字数 1,750文字
たぬきのポンちゃんは、勉強熱心。もっと勉強がしたくなって、人間がすむ村の小学校に行くことにしました。
ポンちゃんは変身も上手にできます。これなら村の子供にもばれません。
さっそくおかあさんが買ってくれたかばんをもって、スキップをしながら山のふもとの小学校に行きました。
「今日からお友達になる、ポンちゃんです。みんな仲良くしましょうね。」
先生がそういうと、人間の子供たちはげんきよく「はあい」と返事をしました。
学校のべんきょうはちょっとむずかしいけれど、ポンちゃんはみんなと勉強ができるので、とても幸せです。休み時間は外でドッチボール。ポンちゃんは、楽しい毎日をすごしていました。
ところがある日。いつものようにドッチボールをしていると、クラスの男の子がポンちゃんを見て大声をあげました。
「あれえ、ポンちゃんのおしりになにかついてるよ」
そうです。ポンちゃんのおしりには、たぬきのしっぽがついていたのです。ついついドッチボールにむちゅうになってしまっていて、そこだけ変身がとけてしまったのです。
「ポンちゃんは、たぬきなの?」
みんなはポンちゃんのまわりに集まりました。その中のひとりの子が、ポンちゃんに石をなげつけました。
「たぬきはわるいやつなんだぞう。うちのおじいちゃんの畑をあらすんだ!」
すると、みんなつぎつぎと石をなげつけてきました。
「そうだ、そうだ。たぬきはわるいんだぞう!」
ポンちゃんは、にげるようにたぬきの住む里へと走りました。石をぶつけられたところもいたかったけれど、こころのずきずきはもっといたくて、泣きながら走りました。
家に帰るとポンちゃんは、おかあさんに抱きつきました。お母さんは、「ポンちゃんはわるくないのよ」となんども頭をなでてくれました。
次の日。お母さんにだっこしたままねむってしまったポンちゃんは、おかしなことに気がつきました。お母さんのからだがとても熱いのです。お母さんは苦しそうにに息をしています。ポンちゃんはいそいで里の医者たぬきをつれてきました。
診察したあと、医者たぬきは、ポンちゃんの肩をたたいていいました。
「お母さんの病気は、人間の村にある薬を飲ませなくちゃ治らない」
ポンちゃんは、大人のたぬきたちに薬をとってきてほしいと頼みました。ですが、みんないそがしいといって、きいてくれません。
このままではお母さんが死んでしまいます。ポンちゃんは、からだの中にある勇気をぜんぶふりしぼって、人間の村に行くことにしました。
村に行くと、石を投げた子が近づいてきました。
「たぬきがまたわるさしにきたぞ」
それでもポンちゃんは、くじけずに村のお医者の家へむかっていきます。一歩一歩すすむうちに、他の人間たちもよってきました。
「たぬきが何をしにきたんだ!」
大人はポンちゃんを追い出そうと、棒でたたきます。ポンちゃんはとうとう歩けなくなりました。
ポンちゃんは、ちからをふりしぼっておかあさんが買ってくれたかばんをその場に置きました。
「みなさん、ぼくのお母さんをたすけてください。おねがいです。薬をください!」
ポンちゃんはせいいっぱいさけびました。その声に、なんだなんだと人間がいっぱいよってきます。棒でつつく人もいます。それでもポンちゃんはさけびつづけました。
すると、声を聞いた村のお医者がポンちゃんに近づいてきました。お医者はポンちゃんをみると、何もいわずにちりょうをはじめました。あたまにほうたいをまいたり、きず薬をぬってくれました。そしてさいごに、ポンちゃんのかばんの中に薬をいれてました。
「ごめんな、ポンちゃん。たぬきだからって、みんなでいじめて。みんな誤解しているんだよ。これからは堂々と遊びにきておくれ。私がみんなにきつく言っておくよ」
お医者はそう言うと、村の出口までポンちゃんを背負っていってくれました。
そこには一人の女の子が待っていました。「ポンちゃん、ごめんね。こんどたぬきの里の話をききたいから、また学校に来てほしいな」
ポンちゃんのおかあさんは、薬のおかげで無事に治りました。ポンちゃんはというと、今日も学校でドッチボールです。もう石を投げる人はいません。ポンちゃんが人間よりもゆうきがあるたぬきだと知ったからです。
ポンちゃんは変身も上手にできます。これなら村の子供にもばれません。
さっそくおかあさんが買ってくれたかばんをもって、スキップをしながら山のふもとの小学校に行きました。
「今日からお友達になる、ポンちゃんです。みんな仲良くしましょうね。」
先生がそういうと、人間の子供たちはげんきよく「はあい」と返事をしました。
学校のべんきょうはちょっとむずかしいけれど、ポンちゃんはみんなと勉強ができるので、とても幸せです。休み時間は外でドッチボール。ポンちゃんは、楽しい毎日をすごしていました。
ところがある日。いつものようにドッチボールをしていると、クラスの男の子がポンちゃんを見て大声をあげました。
「あれえ、ポンちゃんのおしりになにかついてるよ」
そうです。ポンちゃんのおしりには、たぬきのしっぽがついていたのです。ついついドッチボールにむちゅうになってしまっていて、そこだけ変身がとけてしまったのです。
「ポンちゃんは、たぬきなの?」
みんなはポンちゃんのまわりに集まりました。その中のひとりの子が、ポンちゃんに石をなげつけました。
「たぬきはわるいやつなんだぞう。うちのおじいちゃんの畑をあらすんだ!」
すると、みんなつぎつぎと石をなげつけてきました。
「そうだ、そうだ。たぬきはわるいんだぞう!」
ポンちゃんは、にげるようにたぬきの住む里へと走りました。石をぶつけられたところもいたかったけれど、こころのずきずきはもっといたくて、泣きながら走りました。
家に帰るとポンちゃんは、おかあさんに抱きつきました。お母さんは、「ポンちゃんはわるくないのよ」となんども頭をなでてくれました。
次の日。お母さんにだっこしたままねむってしまったポンちゃんは、おかしなことに気がつきました。お母さんのからだがとても熱いのです。お母さんは苦しそうにに息をしています。ポンちゃんはいそいで里の医者たぬきをつれてきました。
診察したあと、医者たぬきは、ポンちゃんの肩をたたいていいました。
「お母さんの病気は、人間の村にある薬を飲ませなくちゃ治らない」
ポンちゃんは、大人のたぬきたちに薬をとってきてほしいと頼みました。ですが、みんないそがしいといって、きいてくれません。
このままではお母さんが死んでしまいます。ポンちゃんは、からだの中にある勇気をぜんぶふりしぼって、人間の村に行くことにしました。
村に行くと、石を投げた子が近づいてきました。
「たぬきがまたわるさしにきたぞ」
それでもポンちゃんは、くじけずに村のお医者の家へむかっていきます。一歩一歩すすむうちに、他の人間たちもよってきました。
「たぬきが何をしにきたんだ!」
大人はポンちゃんを追い出そうと、棒でたたきます。ポンちゃんはとうとう歩けなくなりました。
ポンちゃんは、ちからをふりしぼっておかあさんが買ってくれたかばんをその場に置きました。
「みなさん、ぼくのお母さんをたすけてください。おねがいです。薬をください!」
ポンちゃんはせいいっぱいさけびました。その声に、なんだなんだと人間がいっぱいよってきます。棒でつつく人もいます。それでもポンちゃんはさけびつづけました。
すると、声を聞いた村のお医者がポンちゃんに近づいてきました。お医者はポンちゃんをみると、何もいわずにちりょうをはじめました。あたまにほうたいをまいたり、きず薬をぬってくれました。そしてさいごに、ポンちゃんのかばんの中に薬をいれてました。
「ごめんな、ポンちゃん。たぬきだからって、みんなでいじめて。みんな誤解しているんだよ。これからは堂々と遊びにきておくれ。私がみんなにきつく言っておくよ」
お医者はそう言うと、村の出口までポンちゃんを背負っていってくれました。
そこには一人の女の子が待っていました。「ポンちゃん、ごめんね。こんどたぬきの里の話をききたいから、また学校に来てほしいな」
ポンちゃんのおかあさんは、薬のおかげで無事に治りました。ポンちゃんはというと、今日も学校でドッチボールです。もう石を投げる人はいません。ポンちゃんが人間よりもゆうきがあるたぬきだと知ったからです。