第1話

文字数 287文字

突然のゲリラ豪雨
僕と彼女は、一緒の傘に入った
傍目から見たら、仲の良い恋人同士に見えただろう

でも、僕らは、その時、ケンカをしていた
「───」
豪雨でかき消された、僕の暴言
彼女にだけ聞こえた、汚い言葉

彼女の目には、光るものが浮かんでいた
彼女が、細かに震える振動が伝わってきた

突然、雨はやんだ
突然、虹まで現れた

神様は、どうやら、彼女の味方だったようだ

ああ、僕は知っていたのに
そんな事を言ったら、彼女が傷つくことを
それなのに それなのに

彼女は、振り向かず、走り去って行った
映画のワンシーンのようだった
走り去っていった、美しい彼女
美しい虹
取り残されたのは、汚い僕
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