第2話
文字数 557文字
彼女を初めて見たのは大学生活が始まって三日目のことだった。春の暖かな空気の中で学科ごとのオリエンテーションがあり、教育学部の社会科コースの新入生で第三講義室に集まった。
数えると全員で20人いる、ちょうど男女半々ずつらしい。コースの概要を若そうな大学教授が熱心に話していたのを話半分に聴きながら、これから四年間一緒に過ごす仲間達を見ていた。
その中で一人だけ目に留まった子がいた。ジーンズに茶色のトップスという地味な服装、黒髪で後ろで一つに結んでいた。
正直に言うと凄く好きな顔だった、自分には毎日家に入り浸っている彼女がいるけれど、暫くの間彼女に見惚れてしまっている。
自己紹介することになり、みんな最初の奴に倣い出身県と趣味を淡々と言っていたので俺もそれに倣った。でも元々が明るい性格なのでそれだけではつまらないと思い最後に当時流行っていた一発ギャグを取り入れると、みんなが笑ってくれたので上機嫌になる。
彼女の番になったので息を止めてじっと見つめた。
「山浦亜紀です、群馬出身で自宅から通学してます。趣味は読書です。苦手なことは運動です。よろしくお願いします」
パチパチと恒例の拍手がされる。
趣味は読書で運動が苦手なんだ、自分が一番苦手としていることが読書で得意な事が運動だから自分と正反対だ。
けれどそこがまた良く見えた。
数えると全員で20人いる、ちょうど男女半々ずつらしい。コースの概要を若そうな大学教授が熱心に話していたのを話半分に聴きながら、これから四年間一緒に過ごす仲間達を見ていた。
その中で一人だけ目に留まった子がいた。ジーンズに茶色のトップスという地味な服装、黒髪で後ろで一つに結んでいた。
正直に言うと凄く好きな顔だった、自分には毎日家に入り浸っている彼女がいるけれど、暫くの間彼女に見惚れてしまっている。
自己紹介することになり、みんな最初の奴に倣い出身県と趣味を淡々と言っていたので俺もそれに倣った。でも元々が明るい性格なのでそれだけではつまらないと思い最後に当時流行っていた一発ギャグを取り入れると、みんなが笑ってくれたので上機嫌になる。
彼女の番になったので息を止めてじっと見つめた。
「山浦亜紀です、群馬出身で自宅から通学してます。趣味は読書です。苦手なことは運動です。よろしくお願いします」
パチパチと恒例の拍手がされる。
趣味は読書で運動が苦手なんだ、自分が一番苦手としていることが読書で得意な事が運動だから自分と正反対だ。
けれどそこがまた良く見えた。