第1話

文字数 1,231文字

起)主人公の藤原美咲は夏休みの間、山に囲まれた白鷺町に住む祖母の家に一人で泊まることになる。美咲はそこで、近くに住む同じく小6の桃音と仲良くなる。その桃音から、ここは昔から妖怪が多く、リーダー的存在だったキツネ「風切」が多くの人々を食っていたこと、とある人間が妖怪と契約を結び、昼間に妖怪が現れることはなくなったことを聞く。そして、夜8時以降は絶対に外に出てはいけない、と言われる。

承)近所の和風喫茶で、イケメンの男の子と出会う。無口で話しかけづらい雰囲気だが、「霧波湊」という名前と小6であること、この店の子だということを聞きだす。夜、喫茶店に明かりがついていることに気がつき、好奇心から美咲はこっそり家を抜け出す。店の中には、たくさんの妖怪!? 慌てて出てきた湊から、夜は妖怪のための喫茶店をやっていることを聞く。どうやら、妖怪と契約を結んだのは、霧波家のご先祖様らしい。美咲は湊に頼みこんで、店を手伝わせてもらうことに。時々店に行くようになった美咲は、「榊」と名乗る、人型で不思議な雰囲気の妖怪と仲良くなる。

転)7月も終わろうとするある夜、榊に外へ呼び出された美咲は、自分の先祖が妖力を捨てた元妖怪「花波」であること、時を経て美咲に妖力が戻りつつあること、湊が風切の子孫であることを知る。榊に、湊は妖力を取り戻した美咲を食うつもりかもしれない、自分と一緒に逃げよう、と山へ無理やり連れていかれる美咲。そこに妖力を使いながら現れた湊に少しおびえるが、風切は人間の娘と結婚し、人間として暮らしていたことを聞き、榊の手を振り払って湊のもとへ。その時、榊の背後から見知らぬ妖怪が美咲に向かって飛び出してくる。美咲をかばいながら戦う湊。手で(逃げろ)と示されるが、妖力があるなら戦えるはず、とその手を握って美咲は隣に立つ。その瞬間、湊の妖力が突如増していき、その力で敵を倒す。                        
                                  
結)戦いを傍観していた榊が突然笑い始める。パンパンと手をたたくと、妖力が消えてしまう。二人は警戒するが、榊は面白いうわさを聞いたためふらっと訪れ、少しちょっかいをかけてみただけらしい。妖怪が飛び出してきたのは、まったくの偶然のようだ。今後の二人が気になるからしばらくこの町に留まると言う榊。最後に、花波は妖力を他の者に分け与える力を持っていたこと、風切が恋に落ちた娘は妖力を捨てた花波であることを二人に教え、フッと消えた。美咲は助けに来てくれた湊に礼を言い、店へ帰る。                                             
                                    
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