第1話

文字数 1,580文字

「げんきいっぱいのようせい、ぽじこちゃんがあたしのゆめのなかで、いっつもゆめからさめるまえに、がんばれ!みさちゃんならなんでもできる!っていってくれるんだ。

ちっちゃいからだで、ちからいっぱい!あたしのかたをぶんぶんゆさぶりながら、いってくれる。だからね、あさおきると、なーんでもできるきがしちゃうの。

ままのおてつだい、ようちえんのおきがえ、おともだちとなかよくあそぶこと。そしたらなんでもできるんだー。」

「みさ、そうなの?さいきん、とってもようちえんたのしそうだし、おてつだいもしてくれるし。ゆめのなかのぽじこちゃんのおかげなの?」

「うん。そう。だってね、わたしのみかたなんだって。いつでもちかくでずっととんでてくれるんだって。おきてるときはかくれてるんだけど、ねむるとゆめのなかであえるんだよ。だからいつもね、ねむるのがたのしみなの。」

「いつもそんなにたのしいゆめをみてるの?」

「うん、それでね、ぽじこちゃんはきらきらしたようせいで、にじいろのおこなをかけてくれるの。そうしたらわたしがまほうつかいになれるんだ。だからゆめのなかはもっとなんでもできるんだよ。そらとんでぱぱのところにおべんとうとどけたり、ままのせんたくものをおおきなうちわでえいってかわかしたり。」

「すごいわねぇ。わたしもそのゆめいっしょにみたいわぁ。」ままがいった。

あたしもままがいっしょにゆめみれたらなっておもうけど、ぽじこちゃんはあたしのようせいだから、ひとりじめしたいなともおもっちゃう。ままはあたしのことをみて、にっこりしてくれた。ぽじこちゃんとままのかおってすこしにてるのかも。ままがこどものとき、あんなおかおだったのかな。

「ばれんたいんのときは、ぽじこちゃんとちょこれーとけーきをつくったの。かわいいはーとがたのちょこれーとけーき。うふふ。」

「ママともいっしょにつくろうか?」「うん、あたしゆめでもつくったから、ままにもおしえられるかも!」

そしてあたしんちのままとつくったけーきは、ぱぱがおいしいおいしいってたべてくれた。みんなでたべたんだよ。
 
 「きょうはね、ぽじこちゃんがゆめのなかであたしにおこなをふりかけて、きれいなとうめいなみずうみをおよげたの。あたしとってもきもちよくてすーいすいだったの。」

「あ、きょうはようちえんのぷーるのひだったわね。どうだったの?」

「まま、あたしこないだみずにかおつけられなかったのに、きょうはつけられたの。めもおみずのなかでばっちりあけられたんだー。ぽじこちゃんのおかげだよ。」ままはとてもうれしそう。
 
きのうはあたし、ばらぐみのさなちゃんとけんかしちゃったの。でもあたしさなちゃんだいすきなの。

よるねむったらまたゆめにぽじこちゃんがでてきてくれてね、「みさちゃん、なにかあった?」ってもうわかってたの。「うん、なかよしのさなちゃんとけんかしちゃって。」あたしないちゃった。そしたらね、ぽじこちゃんがおしえてくれたの。「できるだけはやく、じぶんがわるかったとおもうところをごめんねっていうんだよ。」「うん。わかった!」

あさおきて、ようちえんにいってさなちゃんに「きのうはおひめさまやくじゃなきゃいやだっていってごめんね。これからかわりばんこにするね。」っていったよ。そしたらさなちゃん「ありがと。いいよ!」ってうれしそうにいってくれた。なかよくあそべたんだー。ままはぽじこちゃんのちからに、ちょっとおどろいてるような、なんでもわかってるような、そんなかんじだった。
 
ぽじこちゃんがゆめのなかでおしえてくれた。「わたしはね、みさちゃんのようせいぽじこなの。でもね、みーんなじぶんのぽじこをもっているんだよ。さやかちゃんも、あやちゃんも、りんちゃんも。」「え?そうだったの?」「うん。だからみんなもみさちゃんみたいに、なーんでもできるんだよ。」

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